チコ・ハミルトン・クインテット・イン・ハイ・ファイ



チコ・ハミルトンのグループの演奏って、
長らく苦手だったんですよ。


正直に告白すると、
今でも心の底から楽しめるのかというと、
そうではないと思う。


エリック・ドルフィーが参加しているアルバムであれば、
ドルフィー好きということもあるし、
ドルフィーが持つエネルギーや躍動感が
演奏全体にも波及しているので、
けっこう楽しめます。


しかし、管楽器奏者がドルフィーではなく、
バディ・デフランコだと、
良くも悪くもチコのバンドのアンサンブル要因「その1」に
収まりきってしまっているという感じで、
バンドの演奏においてのコンビネーションはバツグンなんですが、
それ以上のパワーみたいなものは望めない。


ま、この手のバンドに、それを臨むのも筋違いなんでしょうけど……。


ですので、
『チコ・ハミルトン・クインテット・イン・ハイ・ファイ』
というアルバムは、
購入してから随分と歳月が流れてしまっていますが、
いまひとつ、このアルバムを楽しめないまま、現在に至っています。


バンドメンバーのアンサンブル、コンビネーションは素晴らしいのですが、
どうも、精巧でデリケートなオブジェを組み立てているような演奏が続くんですよ。


ジャズならではなのダイナミックな感じが
あまり伝わってこない、


……のですが、


10曲目の《ドラムス・ウェスト》は、ちょっと楽しめます。


タイトルからも想像がつくように、
チコのドラムにスポットが当てられた演奏なのですが、
彼のブラッシュワークはなかなかの躍動感です。


そして、とても精緻。


精緻、かつ構築的なドラミングは、
ハミルトンのカルテットの演奏がそのまま
ドラムになっているかのようです。


とても理路整然とした人なんだろうな、と感じるのと同時に、
出るときは出る!
このような潔さ、思い切りの良さも
持ち合わせたドラマーなんだなということがわかります。


この「思い切りの良さ」が、もう少しアンサンブルに出てくれると、
もっとイイんだけど。

……バンドのコンセプトには反する贅沢な要望と知りつつも、
やっぱり、そう思ってしまうのであった。


チコ・ハミルトン・クインテット・イン・ハイ・ファイ
チコ・ハミルトン・クインテット・イン・ハイ・ファイ

▼収録曲
1. ホナラ
2. クリッシー
3. ザ・ウィンド
4. ゴーン・ラヴァー(ホエン・ユア・ラヴァー・ハズ・ゴーン)
5. ザ・ゴースト
6. スリーピー・スレプト・ヒア
7. 恋のチャンスを
8. ザ・スクィンプ
9. トプシー
10. ドラムス・ウェスト
11. スリープ


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