オール・ザ・シングズ・ユー・アー コニッツ・ミーツ・マリガン


これぞ「省略の美」というべきでしょう。

『コニッツ・ミーツ・マリガン』の《オール・ザ・シングズ・ユー・アー》は。


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リー・コニッツのアルトが繰り出す
鋭い出だし。


しかも、たったの2音。


この2音で、スタンダードナンバー《オール・ザ・シングズ・ユー・アー》の
出だしのメロディに使用される数音を表現しきっちゃっている。



似たようなアプローチは、師匠のレニー・トリスターノと共演した
『鬼才トリスターノ』でもしているけれど、
ここでのプレイを、さらにキンキンに冷やして、
鋭い刃物のように、研ぎに研いだ結果が、
極限まで贅肉を落として引き締めた
『コニッツ・ミーツ・マリガン』の演奏になっています。


アドリブも素晴らしいです。


何がって、「間」が。



ピアノレスの編成なんですが、
コニッツが意図的に大きく「間」を設けている箇所が
いくつかあるのですが、
この「間」が、とても音楽しているんですよ。



ベースとドラムの躍動感がビシビシ伝わってくる。

そして、うっすらとマリガンの音も。



吹きすぎず、最小限の音で最大限の効果を狙う。


巧みな音配列。

素晴らしい集中力と、タイミング。


「最高」としか言いようがない
コニッツのアドリブ、そして音色です。


クールどころか、コールド。


でも、音が出てくる情動、瞬発力は、
超がつくほどホット。


聴こえてこないところが熱くて、
聴こえてくるところは冷たい。


このギャップこそがコニッツの魅力なんです。


年齢を重ねるとともに、
コニッツ特有のシャープさは、
良い意味での丸さに変化していきますが、
やっぱり私は、コニッツ若かりし日の
冷たく鋭い
まるで日本刀のようなコニッツのプレイが好きですね。


▼収録曲
1.Too Marvelous For Words
2.Lover Man
3.I’ll Remember April
4.These Foolish Things
5.All The Things You Are
6.Bernie’s Tune
7.Almost Like Being In Love
8.Sextet
9.Broadway
10.I Can’t Believe That You’re In Love With Me
11.Lady Be Good
12.Lady Be Good (Alternate Take)



▼レビューはこちらです。
コニッツ・ミーツ・マリガン/リー・コニッツ

この記事へのコメント

  • バード

    「日本刀のようなコニッツのプレイ」、同感です。抜き身の妖しく光を放つ刀、まさに妖刀のイメージを抱かせます。
    2015年05月05日 08:05
  • バード様

    そうですね、まさに冷たい輝き。

    妖刀かもしれません。
    2015年05月05日 10:13

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