普通っぽいんだけど、
よく聴くと、なんだか微妙にヘン。
このように、
そこはかとなく「変態」を感じるベーシストといえば、
わかりやすいところでいえば、
スティーヴ・スワロウがそうなのでしょうが、
もっと、じっくり聴かないと、
なかなか、そのベーシストの変態性(もちろん褒め言葉です)が
気付きにくいタイプのベーシストといえば、
やはり、ジョージ・デュヴィヴィエなのではないでしょうか。
パウエルとも合わせられるし、
ドルフィーのバックでも違和感なし。
すごくオーソドックスに聴こえるのですが、
やはり微妙にどこか匂ってくるものがある。
デュヴィヴィエは、
独特な美意識を持っているんでしょうね。
ハンク・ジョーンズのピアノトリオ作品、
『バップ・リダックス』では、
ハンクの折り目正しいピアノを
百点満点のベースワークで支えてはいるのですが、
それだけでは終わらない。
そこはかとなく醸し出る
デュヴィヴィエならではの自己主張にも気付くと面白い。
演奏されているナンバーが、
《ヤードバード組曲》や、
《コンファメーション》などのバップナンバーが中心のため、
かえって、デュヴィヴィエのセンスが露になっているんですね。
もちろん、ハンク・ジョーンズを代表するピアノトリオではあるのですが、
デュヴィヴィエ・ベースを追いかけるという
マニアックな楽しみ方も出来るアルバムなのです。

Bop Redux
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バップ・リダックス/ハンク・ジョーンズ
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