
ベーシスト・水野正敏氏が解説するDVD、
『ジャコ・パストリアス奏法 「ドナ・リー」1曲マスター』。
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ジャコ・パストリアス奏法 「ドナ・リー」1曲マスター [DVD]
この映像を見れば、
《ドナ・リー》のテーマぐらいまでは、
ベースで弾けるようになる……、
とは思いますが、
それは、その人のベース歴や技量次第なので、
「絶対に」とは申せません。
私は、以前、運指のチェック用にこのDVDを買ってみました。
だいたい、私が「こう弾いているんだろうな」と思っていた運指と
ほぼ同じだったので、
なんだ、わざわざ買う必要がなかったかな?
……と一瞬思いましたが、
いや、むしろ、この映像を見て、
ジャコ・パストリアスというベーシストの凄さを
逆説的に思い知ることが出来ましたね。
なぜか?
講師の水野正敏氏には大変申し訳ないのですが、
デモ演奏の《ドナ・リー》と、
『ジャコ・パストリアスの肖像』の《ドナ・リー》を比較すると、
リズム感の違いはもとより、
ひとつひとつの音符が持つ「ふくらみ」のようなもの?
……そういう差を歴然と感じてしまうからです。
いや、むしろ私の場合は、「安心感」のほうが大きかったかな。
プロの人でも、こんなに息切れしてるんだから、
シロートの自分が、
ジャコのように弾けないのは当たり前なんだナ……って。
悩むだけ損だ。
もう悩むのやーめたっ!って思いましたもん(笑)。
それだけでも、買った甲斐があったと思います。(・∀・)b
もちろん、ベースを弾かない方でも、
ジャコファンであれば、
こういうDVDを観てみるのも面白いと思いますよ。
ジャコの奏法とか、センスとか、アレンジとか、
使用機材とか、使用ベースのスペックとか、
ベースの改造やセッティングとか、
……そういったことが、
トピックスになりやすい事柄ではあるのですが、
もちろん、それらも革新的なものが多いジャコではあるのですが、
それ以前に「音価」。
ジャコが発するベースの「音」の素晴らしさが、
講師の水野正敏氏には大変申し訳ないのですが、
彼の演奏を聞いた後に、
ジャコの演奏を聞くと、よーく分かるんです。
音のニュアンス。
音の伸び。
一音一音のつなげ方(つながり方⇒フレーズが脈打っている!)。
一音一音が持つ時間(のようなもの)。
タイム感。(1泊や1小節をどれだけ長く深い呼吸で捉えているか)
音と音の連なりから生じるダイナミクス。
……などなど、
とにかく、ジャコ・パストリアスが持っていた
肉体や意識のレベルの高さに驚くこと請け合いなのです。
なんて、生き生きした音を生み出すベーシストだったのだろう!
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ジャコ・パストリアス奏法 「ドナ・リー」1曲マスター [DVD]
を観れば、

ジャコ・パストリアスの肖像
の有り難味が、イヤというほど身にしみてくるはずです。
この記事へのコメント
八神かかし
そう、まさしく「音価」なんでしょうね。
テクニックの説明の方が言葉にして表現しやすいことですから、そっちに流れるのもわからないこともない。
でも、そこに歴然として鳴り響いている音、ほかの誰でもない、その人だけが出せる音の存在感。
実際演奏を聴いて感じますもんね、そういう音って。その人にしか出せないに違いないと確信できる音色、響き、そして音と音との微妙な間。
こんな感覚、評論のシロートのわたしならば、それを感覚的に言えば済まされることなのですが、…。