マイルス・デイヴィスとジミ・ヘンドリックス 風に消えたメアリー


超強力プッシュ本です。(・∀・)b



マイルス・デイヴィスとジミ・ヘンドリックス 風に消えたメアリー
マイルス・デイヴィスとジミ・ヘンドリックス 風に消えたメアリー



この本は、ジャズファンのみならず、
音楽ファン必読の書でしょう。



音楽ファンの知的好奇心を満たす要素が満載!



まるで頭の中に散在している知識が
一本の線につながっていくような快感があるのです。




マイルスとジミヘン?




「ん?」となりますよね。



私もそう思いました。
今から10年ほど前に。w(゚o゚)w



たしか、私が『宝島』編集部に異動して
2~3ヶ月後のことだったので、
2003年末か2004年の頭だったと記憶しています。

(もう10年経ってるんだ、早い!)


そのとき、たしか、渋谷の西武の紅茶屋さんで、
中山康樹氏にお会いした際、
中山氏から、今考えればこの本のテーマだった
「マイルスとジミヘン」の関係や、


当時のマイルスの妻だった
ベティ・メイブリー(ベティ・デイヴィス)の話などを
伺うことができました。


正直、そのときは、

「?!」なことが多く、

お話の半分も理解できていなかったと思います。


そして、このときから10年の歳月を経て、
出版されたのが、この本なのです。


マイルス・デイヴィスとジミ・ヘンドリックス 風に消えたメアリー
マイルス・デイヴィスとジミ・ヘンドリックス 風に消えたメアリー



中山氏の長年あたためていたテーマだったのですね。


そして、この本を読んでいると、
当時、中山さんが仰っていた内容が、

「なるほど、そういうことだったのか」

とようやく腑に落ちたというか、

「なるほど!」と目からウロコが落ちたというか。


とにもかくにも、中山さんがあのとき熱く語っていた内容が、
このような形で一冊の作品に結実したことが感無量なのであります。



この本の内容、いろいろ書きたくてたまらないのですが、
ネタバレさせてしまうと、
せっかくこれから読もうと思っている
音楽愛好家の方々の知的好奇心を削ぐことになりかねないので、
内容に関しての詳細は割愛しますが、
とにかく、読ませる、読ませる。


中山康樹氏の筆力はホント、ダテじゃないっす。
読み始めたらページをめくる手が止まらないです。


個人的には、ジミヘンについて知らないことが多かったので、
そのあたりはすごく勉強になりました。


しかも、この本の編集者は、
富永虔一郎氏と星野新一氏ですから。


富永さんといえば、私が敬愛してやまない
プロ中のプロ編集者です。


その昔、「いーぐる」の後藤マスターと
「メグ」の寺島マスターとの
「対立」の構図を「演出」したのも富永氏だと私は思っているし、
(講談社の名演JAZZ本の中の対談、煽りまくるキャプションなど)

私の愛読書で、
これもまた中山氏翻訳の『マイルス自伝』の編集者も富永さん。


「いーぐる」の後藤雅洋マスターの処女作、
『ジャズ・オブ・パラダイス』の企画・編集者も富永さんだし、
作家の楡修平氏のデビュー作から、
一連の朝倉恭介シリーズを手がけたのも富永さん。


今では知る人ぞ知るかもしれませんが、
伝説の写真家・ロバート・メイプルソープや、
ロバート・フランク、
そして、「プラハの詩人」と呼ばれたチェコ出身の写真家である
ヨゼフ・スデックの写真集の編集者も富永さんなのです。


社内では同じ部署になったことはないのですが、
折に触れて、様々な教えや助言をいただいておりました。


ビートルズ好きな、物静かな紳士です。
私の憧れの人です。
そういう大人に早くなりたいです(・∀・)b。



もう一人の編集者、星野新一氏(星新一じゃないよ)は、
私の同期です。
今は彼も私も富永氏も、その出版社を退職していますが、
私が新卒で就職した際の同期の一人が星野君だったんですね。


当時はおもにアニメ、AV、アイドルなどにおいては
博覧強記ぶりを発揮するオタク、
……いや、編集者でしたね。


とても粘り腰のある仕事ぶりだな~と、
いつも思ってました。


なにせ、月刊誌編集者時代は、
あの田中康夫をストーキングしていた宅八郎氏から、
ストーカー呼ばわりされるほどの編集者ですから、
(これは編集者にとっては栄誉なことだと思います)
その粘り強さは筋金入り!


編集者の鑑です。


一つの対象を納得いくまで追い続ける妥協許さぬ姿勢は
飽きっぽい私にとっては見習うべきところが多々ありました。





……と、まあ個人的なことばかり書いてしまって
申し訳ないのですが、


そんな私にとってみれば、


私が学生の頃からのファンである音楽評論家と、

私が敬愛する大先輩編集者と、

私のかつての同期の3人がタッグを組んで完成した本なので
面白くないわけがないのだ!!


と、身びいきもあるにせよ、
実際、読んでみたら、
ページをめくる手がとまらないほどに面白いので
本当にオススメ!


知的好奇心をくすぐる内容と書きましたが、
そういえば、中山氏は紅茶屋さんで
こう仰っていました。



「僕は点と点をつなぐのが好きなんだ」

「点と点をつないで一本の線を紡ぎ出したい」



そう、この本が知的興奮をかりたてる要因のひとつは、
頭の中に散在していた音楽の知識が、
ある一点のもとに収斂していく快感を味わえることです。


ミステリ小説を読んでいるときのような快感に近い?


もちろん、この本はミステリではないのですが、

残されたデータ、事実という断片をつなぎあわせると、
新たなカタチが浮かび上がってくるのだという
知的興奮があるのですね。



私は『マイルスを聴け!』以来の中山ファンで、
中山氏は優れた音楽評論家かつ文筆家だと
思っているのですが、


もし、対象が「音楽」ではなく
「歴史」や「美術」であれば、
優れた学説や作品を発表する
研究者や作家になっていたのではないかと思うのです。


あるいは警察に就職していたら
難事件をいともたやすく解決する
優秀な刑事になっていたかも?!


断片的な事実を丹念に積み重ね、
我々が一般的に認識している音楽観を
鮮やかに塗り替えてしまうその手腕と筆力。


これは凡百の音楽評論家に成し得ることではありません。


知ってるようで知らなかった
マイルス、ジミヘン、
そしてギル・エヴァンスを軸にしたアメリカ音楽史。


とにもかくにも、
マイルスファンの中では比較的地味な位置づけである
『キリマンジャロの娘』が
違う聴こえ方になること請け合いです。

Filles De Kilimanjaro (Dlx)
Filles De Kilimanjaro


と同時に、


ジミヘンの『アー・ユー・エクスペリエント』を
大音量で聴きたくなってしまう本なのです。

アー・ユー・エクスペリエント
アー・ユー・エクスペリエント



ぜひ、多くのマイルスファン、ジミヘンファン、
そして60年代、70年代の音楽を
愛してやまない音楽ファンに
ご一読いただきたい一冊なのです。


マイルス・デイヴィスとジミ・ヘンドリックス 風に消えたメアリー
マイルス・デイヴィスとジミ・ヘンドリックス 風に消えたメアリー

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