スタンダードタイムvol.1 ウイントン・マルサリス


あり余るテクニックを、どう表出させるか。
どう抑制し、どう盛り上げるか。


小出しにしたり、一気にたたみ掛けたりと、
演奏に対する眼差しと、それを実現できる力量の凄さ。


ウイントンの演奏には、常に演奏に対しての距離の置き方、
いわばクールな眼差しのようなものを感じるのですが、
特にこの『スタンダード・タイム vol.1』に関しては、
ストーリーテリングのダイナミクスが小憎らしいほど完璧なのです。


だからこそ、
「ハートがない」、
「ツルッとしている」、
「過去のジャズマンと違う違和感を感じる」などと、
揶揄の対象にすらなってしまったウイントンなのですが、
この受け止め方は世代によって異なるみたいですね。


私はウイントン出現後のジャズ聴きなので、
さほど違和感は感じず、素直に「すげー!」と感じたクチ。


もちろん、古いジャズをたくさん聴いているうちに、
古い世代のジャズ聴きが指摘するニュアンスも分かるようにもなってきました。


しかし、このアルバムだけは特別。


最初に聴いたウイントンのアルバムだからかもしれませんが、
やはり、思い入れが強く、大好きなアルバムなのです。


《枯葉》をはじめとしたウイントンのスタンダードの解釈は、
今聴いても最初に聴いたときの驚きと新鮮さを感じます。

スタンダード・タイム Vol.1
スタンダード・タイム Vol.1

▼収録曲
1. キャラバン
2. パリの四月
3. チェロキー
4. グッドバイ
5. ニュー・オリンズ
6. スーン・オール・ウィル・ノウ
7. フォギー・デイ
8. ザ・ソング・イズ・ユー
9. メモリーズ・オブ・ユー
10. イン・ジ・アフターグロウ
11. 枯葉
12. チェロキー


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カフェモンマルトル


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