First Time Ever Barry Harris


バド・パウエル直系ピアニストの
バリー・ハリスが《クレオパトラの夢》を弾いたら?



そんな関心を持つのはおそらく日本のジャズファンだけなのかもしれないけれども、当のバリー・ハリスは「バドのクレオパトラ? そんな曲ぁ知らん!」と言い放ったというのは有名な話。


まさか本当に知らないわけはないとは思うけれども、
「クレオパトラ以外にも、もっと素晴らしい曲をパウエルは作ってるよ、どうして単調な進行なマイナームードのナンバーをこうもニッポン人は好きなのかね?」
という揶揄がこめられていたのやもしれません。


そこで一計を案じた日本のレコード会社(アルファジャズ)は、クレオパトラじゃないけれど、クレオパトラ調な曲をバリー・ハリスに弾いてもらうために、クレオパトラと同じコード進行の曲を弾いてもらった。

かどうかはわかりませんが(あくまで妄想です)、そんな想像もあながち外れていないんじゃないかと思う演奏が、1曲目の《ウノ・ドス・トレス》なのです。


伸びやかなジョージ・ムラーツのベースもいいですね。


日本製作の大スタンダード・オンパレードのケニー・ドリュー路線かよ、と侮るなかれ。
録音はルディ・ヴァン・ゲルダーだし、演奏も悪くないですよ。


良くも悪くも「無難」の一文字かもしれませんが、なんにも考えずに気軽に聴くにはもってこいのアルバムです。


ファースト・タイム・エバー / バリー・ハリス・トリオ (演奏) (CD - 2003)
ファースト・タイム・エバー / バリー・ハリス・トリオ
▼収録曲
1. ウノ・ドス・トレス
2. ファースト・タイム・エバー
3. トゥ・ウォルター・デイビス・JR.・ウィズ・ラブ
4. ナシメント
5. ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド
6. ムーン・シャドウ
7. K.G.
8. 煙が目にしみる


この記事へのコメント

  • 八神かかし

    このアルファジャズってもしかして、KxMxTx MxKxTxさんがプロデュースしているレーベルなのかな?

    だとすれば、けなすようなコメントは良くないのかもしれないけれど、ケニー・ドリューではがっかりした経験がありますよね。

    ケニー・ドリューでは共演のメンバーもコペンハーゲン時代とほぼ共通しているし、と思い買ってみたのだけれど、鳴っている音は全然違っていた。

    こうして見るとプロデューサーの位置づけって大きいんでしょうね。
    2012年12月16日 13:14
  • 八神さん

    こんにちは。
    お察しのとおりです(笑)。


    ケニー・ドリューの日本製作盤は「ダミだ、こりゃ!」なのがジャズマニアの間での定説にはなっていますが、私の場合は、どちらかというと、ほんのちょっぴりですが好意的だったりもします。

    もちろん、演奏、音楽としてのクオリティでいえば、同メンバーでのスティープル・チェイスの演奏のほうが断然好みです。

    しかし、私の場合は、当時ジャズベースをはじめたばっかりの頃だったので、ペデルセンの分かりやすい輪郭のはっきりしたベースラインがとてもコピーするには良かったんですね。
    もちろん、ほかのレーベルでの録音もペデルセンのベース音は比較的粒立ちがはっきりしているので、音は拾いやすいのですが、なにせ日本製作の演目は大スタンダードのオンパレードではないですか(@w@)

    だから、当時、スタンダードのレパートリーを少しでも増やしたいと考えていた私にとっては、格好の教科書でした。

    ほほぉ、朝日のように爽やかにのここの箇所はこう弾くのか、なるほど、ここでこう弾くのもアリなんだ、みたいな。

    だから、教科書ジャズというか、ジャズ教則本に付属しているCDの模範演奏みたいな内容というか、そういうような聞きかたばかりしていたもので、それ以外の純粋な聞きかたができなくなってしまったんですよ。

    しかも、何回も再生しているので、自然に愛着のようなものも芽生えてきてしまって。特に『バイ・リクエスト』なんかはそうでしたね。

    でも、八神さんはじめ多くのジャズマニアが感じていることもよーくわかります。
    やっぱり、傍らにベースがないと聞きませんから。じっくり鑑賞しよう!という気分にはどうしてもなれないんですよね。

    この演奏のクオリティの微妙な温度差って、やっぱりご指摘のとおりプロデューサーの存在が大きいのかもしれません。

    決して悪い演奏ではないし、他レーベルの演奏とくらべて手抜きをしているというわけでもないのだけれども、なんなんでしょうね、この肌触りの違いは。

    ちなみに、このバリー・ハリスの日本製作盤もジョージ・ムラーツののびやかなベースが綺麗にききとれるので、特に1曲目なんかはクレオパトラのベースラインを作る際の参考になりそうです。

    「ベースを練習するぞ耳」で聞くと、また違った感触が生まれるので不思議なものです。
    2012年12月16日 16:43

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