アマンドラ リズム



先日に引き続き、
マイルスの『アマンドラ』です。



当初は表層的な音色のほうばかりに耳が行って、、、
というようなことを書きましたが、



時間を経て、
このアルバムの音楽的強度を形成しているのは、リズムだということに気がついたんですね。



だから、今聴いても
きちんと鑑賞にたえうる作品なのではないかと。



当時のマイルスが目をつけていたリズムは
ワシントンD.C.を中心に盛り上がっていた
ゴーゴーのリズムでした。



そこで、彼が目をつけたドラマーは、
リッキー・ウェルマン。



彼のドラミングは、
4ビートのような揺らぎはなく、
また、フュージョン系16ビートのように
トタパタと小忙しい感じでもない。



もっとタイトでカッチリとしており、
だからといって、打ち込みのリズムとは違うヒューマンなグルーヴがある。



と同時にドッシリと地に足をつけた安定感も。



50年代ハードバップに多い4ビートの
タメや引きずるようなグルーヴ感とは趣を異にするグルーヴ感ゆえ、私の場合、耳慣れるまでは時間が必要だったのでしょう。



音楽の根っこの部分であるリズムが強固だと、不思議と飽きがこない音楽が多い。


表面的な音色や、SEの使い方、
あるいはアレンジが古臭く感じたとしても
その音楽の器を形成するリズムがしっかりとしていれば
不思議と古びて聞こえない、
いや、古びて聞こえることもあるけど、
飽きずに鑑賞できるものが多いんですね。



そのもっとも顕著な例がYMOの音楽だと思いますが、
マイルスの『アマンドラ』もまさにその典型だと思います。



個人的には名作とされる『ツツ』や、
晩年の代表的なステージ・レパートリーが収録されている『ユア・アンダー・アレスト』よりも、今となっては色褪せることなく聴き続けられる作品なのではないでしょうか。



また、ケニー・ギャレットのわかりやすい「アウト」をするアルトサックスも、『アマンドラ』にアクセントを添えているようにも感じますね。



彼の「アウト」の仕方、つまり調整から逸脱の仕方は、とてもわかり易い。



アウトしても、すぐに調整領域に戻ってくるので、外れた箇所のフレーズが非常に効果的なアクセントとして頭に残るんですよね。



もっとも、これが繰り返されると、だんだん食傷してくるんですけどね(笑)。



特にマイルスバンドのライブ映像などを見ているとその傾向が顕著なんですが、
アルバムの場合だとソロパートが短いため、
飽きる前に終わってくれる。



この按配が、この時期のマイルスのトランペットとよい意味での対比効果、演奏上のアクセントとして華を添えているのではないかと感じます。



アマンドラ

アマンドラ

  • アーティスト: マイルス・デイヴィス
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2010/06/23
  • メディア: CD







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