ラグタイム・ミュージック集



たまにはラグタイム。



パウエル以降のモダンジャズピアノに耳慣れてしまうと、ときおり左手がフル稼働のラグタイムがとても新鮮に聴こえます。



めまぐるしく鍵盤を2本の手がかけめぐり、ピアノの機能をフル活用しまくっているこのラグタイムは、個人的な経験だと、日本で聴いてもあまりピンとこないんですが、たとえば、アメリカの都市部から離れた場所(メンフィスの畑地帯やサンノゼの郊外)などでイヤフォンを耳あてて聴くと、すごく体全体が嬉しくなるというか、楽しい気分になれるんですね。



たぶんゴチャゴチャと建物がならぶ景観だと、音数多いピアノ音はそぐわないのかもしれない。
せわしない気分に拍車がかかるから。


反対に、すっきりシンプル、見晴らしの良いロケーションには、ラグタイムのピアノの音数が心地よいバランスとして身体の中に染みてきて、なんだかゆったりとゴージャスな気分になってくる。



視覚と聴覚のバランスが成り立っているような気がするんですね。



もっとも、台湾にいたときもウォークマンでジョプリンを聴いてみたこともあるんですが、台北の狭い路地とかを歩いている自分が、まるで戦前の上海のような亜細亜の都市を忙しくかけめぐっているような気分になれたので、眼前の景観の情報量と音の情報量の多さ、少なさの関係が及ぼす気分の違いって興味深いなと思った記憶があります。



このラグタイム集は、もちろん代表曲の《エンターテイナー》も収録されてはいるのですが、《ジ・エンターテイナー》だけがラグタイムではないぞ~ということがよく分かります。


ひとくちにラグタイムといっても、こんなに幅広く、こんなにもバラエティ豊かな表現形態の一つなんだなということがよくわかります。



あなたがラグタイムを聴きながら見えるのはどんな景色?




ラグタイム・ミュージック集

ラグタイム・ミュージック集

  • アーティスト: カティア&ラベック(マリエル),ジョプリン,メイヤール,ガーシュウィン(ジョージ)&ドナルドソン(ウィル),ジャノー
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2007/01/24
  • メディア: CD






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