アンソニー・ジャクソンのリーダー作



エレクトリック・ベーシストのアンソニー・ジャクソンは、
私が大好きなベーシストの一人。


彼のことを一言で形容するのであれば、まさに”ベース職人”という言葉が相応しいと思います。


そして、職人なだけに、
ベーシスト本来の裏方役に徹する人でもあり、
日本では、SMAPとか矢野顕子などのバックを務めたり、
あるいはピアニストだとミシェル・カミロとか、ミシェル・ペトルチアーニなど(二人ともミシェルですね)のバックで素晴らしいプレイを繰り広げているのですが、今まで、リーダー作はなかったんですね。


ま、私としては特にアンソニーにリーダー作がないということが、アンソニーらしくてイイなと思っていると同時に、特にリーダー名義で作品を出さずとも、ドナルド・フェーゲンやスティーヴ・カーンとの共演とか、先述したカミロとかペトルチアーニとか、最近だと上原ひろみなどのバックのベースを聴くだけでも、共演者を引きたてるというベース本来の役割をまっとうしつつも、十分な存在感を醸し出しているので、満足だったのですね。


ところが、昨年の春にアンソニー、リーダー作出したんですね。


いや、彼一人のリーダー作というわけではなく、ヨルゴス・ファカナスというベーシストとの双頭リーダー作的な位置づけの作品なのですが、

▼コレです。
インタースピリット / ヨルゴス・ファカナス アンソニー・ジャクソン (CD - 2010)
インタースピリット / ヨルゴス・ファカナス アンソニー・ジャクソン


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2台のエレクトリックベースによる共演で、ギターがフランク・ギャンバレ、ドラムスがデイヴ・ウェックルなので、チック・コリアのエレクトリック(アコースティック)バンドのファンも「おっ!」となる面子。
ゆえに、内容は悪かろうはずはないのですが、個人的にはベース弾きやベース好きなら喜ぶかもしれないけど、そうでない人たちはどう感じるのかな?的なテクニックの応酬というか、よくも悪くもベースベースしたアルバムなのですね。


もちろん、アンソニーのことですから駄作なわけはないのですし、ヨルゴス・ファカナスのベースはジャコ・パストリアスが好きな人が聴けば、かなりツボにくるベースだとは思うのですが、個人的には、サイドマンとして力量のあるリーダーのバックで、リーダーに負けず劣らずの存在感を放っているアンソニーのベースのほうが好きですね。


もちろん、ベース好きには是非聴いてもらいたい内容ではあるのですが。


というわけで、個人的にアンソニーがサイドマンで参加している作品で、「これはスッゲーいいぜ! 絶対聴けよな!!」と、オススメの際には超強気になれる(?)アルバムを3枚紹介いたしましょう。



ナイトフライ (SACD/CDハイブリッド盤) [Hybrid SACD] / ドナルド・フェイゲン (CD - 2011)
ドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』

他にも、ウィル・リー、チャック・レイニーなどそうそうたるベーシストが参加しているアルバムなのですが、なんといっても、アンソニー奏でる《I.G.Y.》や《ルビー・ベイビー》のベースに痺れてしまいます。

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イン・トリオ / ミシェル・カミロ, アンソニー・ジャクソン, ジョエル・ローゼンブラフ, デイブ・ウェックル (演奏) (CD - 2004)
『イン・トリオ』ミシェル・カミロ

とにかく奔放なピアノを奏でるカミロのバックで、アンソニーもところどころで「やる~!!」なニクいプレイを連発しまくりです。

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ザ・スーツケース / スティーヴ・カーン (CD - 2008)
スティーヴ・カーン『ザ・スーツケース』

もう参りました!なほどの正確すぎるテクニックがところどころに。だからといって、打ち込み音楽とは違う暖かさがあるんですよね。

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この記事へのコメント

  • まつゆ

    何度も申し訳ありません。さきほどの語弊がありました。少し修正してお送りしますので、差し替えていただけましたら・・・


    アンソニー・ジャクソンのレビュー、ありがとうございます♪SMAPや矢野顕子さんとも共演してるのですね。親しみを感じます。

    先日、テレビで東京JAZZでのザ・トリオ・プロジェクト(上原ひろみさんとの共演)も見ることができました。繊細な音遣いで、お互いの音楽を楽しんでいるのが心地良い演奏でした。


    ベースは素人耳には、低い音域で音を響かせるのが難しそう、という印象なので、セッションのソロ部分でリズミカルに歌ってるのを聴いたりすると「おお~!歌ってる♪」とうれしくなるのです。
    2011年10月17日 19:10
  • まつゆさん

    こんばんは。

    歌っているベースソロは聞いていて楽しいですよね。

    私の場合は、ベースをやっているからでしょうか、ソロよりも、バッキングで歌っているのかに注目してしまう癖があります。
    やっぱりスポットライトが当たるソロコーナーよりも、伴奏している時間のほうが通常は長い楽器ですよね?
    だから、その時間の中、どれぐらい楽しんで歌っているのか?みたいなところに注目しちゃうんですね。
    それに気が付いたのが、ポール・チェンバースの4ビートでした。
    普通にボン・ボン・ボン・ボンと1小節に4つの低音を鳴らしているだけなのに、すっごく楽しそうというか、メロディアスなんですよ。
    それに気づくと、ベースを聴く楽しみがまた広がります。
    ジャコとかアンソニーは、伴奏しながらも、その伴奏のベースラインが、まるでソロであるかのようなフレーズが多いので、そのあたりが私が好きなところなのかもしれません。

    素晴らしいベーシストは、ベースラインのセンスも秀でているのでしょうね。
    2011年10月18日 01:08

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