村上春樹訳の『バット・ビューティフル』セロニアス・モンクの章を読みながら


ジェフ・ダイヤー(著)、村上春樹(訳)の
『バット・ビューティフル』が面白い!


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「まるで見て書いてきたような嘘だ」などと揶揄する向きもあるかもしれませんが、どこまでが真実で、どこまでが想像なのかなどと、いちいち根掘り葉掘るのは野暮というものです。


ジャズ愛に満ちた著者が、一粒の創作(フィクション)を織り交ぜることによって、かえってそれが生き生きとしたジャズマン像を描き出していることを認識すべきでしょうし、時としてそれが真実以上の真実として昇華されることもあるのです。


いうまでもなく本書はその試みに成功しており、どの章もエピソードを越えた一遍の短編物語。読むごとに切なく胸をしめつけられる内容となっています。


バット・ビューティフル

バット・ビューティフル

  • 作者: ジェフ ダイヤー/訳者:村上春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/09
  • メディア: 単行本



個人的にはセロニアス・モンクを描いた「もしモンクが橋を造っていたら」が切なく、私が大好きなモンクという人物、私が知るモンクという人間像により深い陰影を与えていると思います。


これを読むと『セロニアス・ヒムセルフ』を聴きたくなる。
そして次は『セロニアス・ヒムセルフ』をかけながら再読しようと思っています。



セロニアス・ヒムセルフ+1



また、奥さんのネリーとの微笑ましい関係は、
ドキュメントフィルムの『ストレート・ノーチェイサー』をご覧になった上で読むと、より一層胸がしめつけられると思いますよ。




セロニアス・モンク ストレート・ノー・チェイサー [DVD]

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