川上さとみ『Innocent Eyes』評


川上さとみの3枚目のリーダー作『イノセント・アイズ』評をアップしました。

こちらです。


innocent.png



以前、寺島靖国氏の番組『PCMジャズ喫茶』に出演した際、寺島氏がこのアルバムの《ダウン・ウィズ・イット》を絶賛していました。

その少し後に『ジャズ批評』誌の企画で「女性ジャズピアノ」の企画が持ちあがり、ジャズ喫茶「いーぐる」のマスター後藤雅洋氏のコーナーの対談相手にご指名をいただいた際に、このアルバムを俎上に載せて後藤マスターからの批評を仰いでみました。


▼対談が収録されているバックナンバー
ジャズ批評 2008年 11月号 [雑誌] [雑誌] / 松坂 (刊)
ジャズ批評 2008年 11月号 [雑誌] [雑誌] / 松坂 (刊)

もちろん俎上に載せた曲は同じく《ダウン・ウィズ・イット》。バド・パウエルの『シーン・チェンジズ』に収録されているナンバーですね。

ザ・シーン・チェンジズ [Limited Edition] / バド・パウエル (CD - 2008)
ザ・シーン・チェンジズ [Limited Edition] / バド・パウエル

後藤マスターの評価は、寺島氏ほど大絶賛!というわけではありませでしたが、「悪くない」というニュアンスの「良い」でした。

ジャズ観が対局といっても過言ではない、ジャズ喫茶の両マスターが「良い」と評価した《ダウン・ウィズ・イット》。あなたの耳にはどう響きますか?

私は勢い余った後半のテーマのミスタッチをも含めて、パウエル愛がこもったこの演奏、悪くないと思います。

もちろん、本家本元の演奏が一番なことには変わりありませんが……。

ムードミュージック。

なんて書くと、本人およびファンや関係者からは怒られてしまいそうですが、川上さとみの『イノセント・アイズ』を深夜、ボリュームを落として聴くと、なんともいえぬブルーなムードに空気が染まります。


もちろん演奏の中にはスリリングな要素もあるし、ジャズ的刺激もあるのだけれども、このアルバムから私が個人的に感じる要素は、フレーズやリズムとの絡みなどといった演奏細部の要素よりも、全体を覆う空気感のようなもの。

濃厚に夜、それも深夜をイメージさせるモワっとした湿度を濃厚に含む空気と、音楽が持つスピードが、ちょうど深夜に感じる自身の体内速度とシンクロしているところなのですね。

全体のムードで聴く。
だから、ムードミュージック。

私は、このピアノトリオの演奏をそのような位置づけで最近は楽しんでいます。








この記事へのコメント


この記事へのトラックバック