Willem Breuker Kollektief『At Ruta Maya Café』

先日、久々にゴールデン街に行ってきました。
目的の店は、当然ハードなジャズを大音量でかけてくれる「シラムレン」。

片腕のマスターは、知る人ぞ知る「ジャズ目利き」です。

見たことも聴いたこともない珍しいCDをどこからともなく仕入れてきて、「こんなのどうだ?」とかけてくれるのです。

深夜のジャズが流れる店といえば、ピアノトリオや、ギターが前面に出たマイルドな演奏が似合うし、実際そういう店が多いのですが、この店は違うんだなぁ、店の扉を開けるとコルトレーンのアトランティック時代や、デヴィッド・マレイなど、激しい管楽器がリーダーのアルバムがギンギンにかかっていることが多いのです。

昨晩(今朝?)訪問したときは、誰もいない店内にジミー・スミスの『アット・ジ・オーガン vol.3』が流れていました。

At the Organ vol.3 [Original recording remastered, Import, From US] / Jimmy Smith (CD - 2006)
At the Organ vol.3

この店でオルガンを聴くのははじめてですが、なかなか妖しくいい感じでした。

泡盛やバーボンを何杯かおかわりしているうちに、連れが寝てしまったので、マスターとジャズ談義。

最近はフリージャズが面白いよね、日本のフリージャズ奏者はスガダイローが面白くていいよね、ノルウェーのフリージャズもけっこう面白いのあるんだよ、知ってる? なんて話をしながら、マスターがかけてくれたのが、オランダのフリーっぽいグループ、というか、フリーというよりは、渋さ知らズのオランダバージョンとでもいうべき、自由奔放なアンサンブル。

Willem Breuker Kollektiefの『Parrot』や『At Ruta Maya Café』というアルバムをかけてくれました。

At Ruta Maya Café.jpg


いつものように、マスター、これなんて読むの?ってジャケットを指して尋ねても、「わからん」(笑)。


先日もロシアのフリージャズでいいやつをかけてくれたので、これ誰ですか?と聞いたら、ロシア語読めるわけないじゃん、という返事(笑)。


読めないけど、いい演奏だから店でかける。そして、マスターが「読み方わからねー」というアルバムはどれもがいい内容ばかりなのです。
読み方のわからないミュージシャンやタイトルのアルバムを「これは匂うぞ!」という嗅覚を働かせて買ってくる。そして、どれもがだいたい予想通りか、予想以上の内容のことが多い。
そのへんが、ジャズ目利きたる所以なのかもしれませんね。


さて、私も読めないので、欧文表記のままでいきますが、大人数編成のアンサンブル集団、Willem Breuker Kollektiefのアンサンブルは、タンゴあり、ブルースあり、現代音楽や、ユダヤ音楽のクレズマー(クレッツマー)の要素ありと、本当に柔軟というか、はっきりいってゴチャマゼ状態。

しかし、たしかな演奏力をもってこちらに迫ってくるので、聴いていて非常に気持ちがいいし、特にソプラノ奏者(アルトなど他のサックスも吹く)の変態っぷりは、白いローランド・カークというべき変幻自在さです。
音色は、アルトを吹いているときのアンソニー・ブラクストンにちょっと似ているかな。

変態フレーズのリフレインで観客を笑わせたり(ライブ盤なのです)、妙な間を設けたりと、なかなか一筋縄ではいかないのだけれども、決して難解ではなく、むしろ分かりやすくて楽しい演奏といえます。

このユーモアにあふれた演奏は、是非、多くのジャズファン、いや音楽ファンにも耳を通してもらいたいなと思いました。

この記事へのコメント

  • いっき

    雲さん

    こんばんは。
    「シラムレン」怪しげでいいですね~(笑)。
    今度是非連れて行って下さい。
    怪しい酒場でフリー・ジャズ!
    最高のシチュエーションじゃないですか(笑)!
    2011年04月22日 23:13
  • いっきさん

    こんばんは。
    行きましょう、行きましょう、シラムレン!

    楽しいですよ~。
    あの狭さ、あの雰囲気、マスターの醸し出すオーラ。すべてがディープなジャズ好きにはたまらん空間です。

    たまたま連れて行ったOL(20代前半)は、フリージャズのあまりの心地よさに、すぐカウンターに伏して眠ってしまっていました(笑)。

    と、ここまで書きながら思い出したのですが、そういえば、過去に5~6人、女性をこの店に連れていっているのですが、不思議なことに、全員寝てしまっています。

    管楽器の咆哮は、女性にとっては心地よい子守唄なのか?! 

    それとも、マスター、酒になにか入れてるのか?!(笑)
    2011年04月23日 01:10

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