放送第79回「スコット・ラファロとビル・エヴァンス」(2)



さて、気を取り直して、先ほどの続き(こちら)を書きます。

復習をかねて、まず冒頭一発は、ビル・エヴァンス・トリオ『ワルツ・フォー・デビー』から、《ワルツ・フォー・デビー》。

Waltz for Debby

Waltz for Debby

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Original Jazz Classics
  • 発売日: 1990/10/17
  • メディア: CD



ラファロのメロディアスなベースソロと、スケール練習の賜物ともいえるフレーズが入り乱れて登場する、非常に聴きごたえのあるソロでした。

お次が、同じく、アルバム『ワルツ・フォー・デビー』より《マイルストーンズ》。
これは、エヴァンスのピアノよりもラファロのベースを中心に聴いて欲しい内容で、特にソロを聴けば、ラファロの体感ビートは、4ビートではなく、16ビートの刻みでソロを取っていることがよく分かります。

そして、この「16」の体感ビートで、同じような譜割りや、似たようなメロディ構成を感じさせるジャコの曲を一部かけました。

『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ vol.1』より《ティーン・タウン》。
Live in New York City, Vol. 1: Punk Jazz

Live in New York City, Vol. 1: Punk Jazz

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Big Bear
  • 発売日: 1992/03/24
  • メディア: CD

ジャコ作曲の名曲。上記アルバムのみならず、ウェザー・リポート時代から、様々な編成、様々なバージョンで演奏されているのですが、ベースの動きがよくわかるようにシンプルな編成のギタートリオのバージョンを選んでみました。

このテーマのキメの部分が、そこはかとなく《マイルストーンズ》でのラファロのベースソロの構成に似ているのですよ。

モコモコしたウッドベースと、粒立ちがクリアなエレクトリックベースという音色の差もあり、一聴するだけでは分からないかもしれませんが、16を基調としたリズム感覚や、フレーズを構築してゆく発想には似たようなものを感じます。

もちろん、音符の構成、弾かれているフレーズの内容は同じではありません。

しかし、2人の体感速度やベースを弾く上での発想の類似点に気がついていただけると、よりいっそうラファロの凄さがわかるのではないかと思うのです。

ジャコはエレクトリックベースで、あのようなカッコいいフレーズをスピード感抜群のプレイをしていますが、ラファロの場合は、楽器がウッドベースですからね。

しかも、音の立ち上がりが遅く、芯のある音を出すためには、熟練を要するガット弦で、あれほどまでの高速パッセージを弾くわけですから、ラファロがいかに優れた技巧の持ち主だったことがよく分かります。

なにせ、私なんて、ガット弦を張ったウッドベースの半分以下の労力でラクに弾けるはずのエレクトリックベースでも、あのフレーズを弾くのは無理ですから(←単にベースの才能ないだけデス)。


というわけで、本日はここまで。

続きは後日アップするつもりです。

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