女子ジャズ・オヤジジャズ



仕事帰りに、“いつもの駅”で降りて、
“いつもの店”で、
“いつものやつ”を一杯ひっかける。

十代の頃の私は「早く大人になりたい」症候群だったので、「そのようなスタイルがサマになる大人になりたいな」と憧れていたものです。

しかし、“いつもの店”で“いつもの酒”が似合う年齢になってくると(それとも、まだまだお子チャマかな?)、それって、なんだかオッサンくさくて、ダサイものに思えてくるようになりました。

なぜかというと、そこには変化がないからです。

変化がないということは、プラスに捉えれば、コダワリを持っていることでもあり、己のスタイルを確立している証なのかもしれません。

しかし、「コダワリ」という美名のもと、頑迷で排他的な人間になっている可能性だってあるわけで、茂木健一郎氏の本によると、変化のない日常は脳に刺激が与えられず、脳にもよくないことらしいです。

ビジネスのセミナーなどは、わざわざ海外や、リゾート地で行われることが多いようですが、それ、分かるような気がします。

これはあくまで脳学者ではない、シロートな私の推測なのですが、ふだんとは違う環境、つまり非日常空間に身を置けば、脳の中の情報がシャッフルされるのではないか?

たとえば、頭の中の「A→B→C」という知識と、思考の枠組みで日常生活をしているとします。
日常生活の中では、習慣的となっている「A→B→C」という思考パターンも、環境が変わり、非日常的な空間に身を置けば、脳に刺激が与えられ、「C→A→B」や「B→C→A」というように思考の枠組みがシャッフルされやすいのではないかと思うのです。

また、「D」という新たな気付きや発見も起こりやすいのではないかと。

日々、同じような生活パターンを繰り返していると、どうしても、一つの行動パターンに思考も規定されてしまいます。
そして、このパターンが何年も続くと、スタイルが確立され、コダワリも生まれるのかもしれませんが、悪く言えば、マンネリに陥り、つまらない生活を送るつまらない人間に成り下がってしまう危険性を多分に孕んでいるのではないかと思うのです。

特に、中年男性にその傾向が強いのではないかと(笑)。

逆に、女性はいくつになっても元気ですよね。
お菓子の新製品から、ファッション、ヘアスタイル、飲食店、旅行まで、じつに流行や、新しいものや変化には敏感です。
べつに高い買い物や、大きなイベントではなくとも、日常の中にほんの少しでも変化をもたらしてくれそうなものには、貪欲に飛びつき、常に脳への刺激を本能的に求めているかのようです。

当然、脳がリフレッシュされ続ければ、感性も磨かれ、感覚も豊かにはぐくまれるのではないかと思うのです。

少なくとも、コダワリという美名の元、要は変化や冒険を嫌うオジサンの硬直したアタマよりはね(笑)。

「ジャズはこうでなければならない」的なコダワリを持つことは大事だとは思いますが、時として、それも行きすぎると鬱陶しい。
「変化」を繰り返してきた音楽こそがジャズなのだから、そのような音楽を好む「ジャズ聴き」が変化を嫌う硬直した感性の持ち主でどうするのよ? と思います。

だからこそ、コダワリに凝り固まった男性セレクトの「ジャズ本」から離れ、時には女性セレクトの「ジャズ本」を紐解くのも悪くはないのではないか? と私は思うのですね。

そう、島田奈央子さん著の『Something' Jazzy』、通称“女子ジャズ”です。

ジャズライターとして長年、多くのジャズに接してきた島田さんが、島田さんの中の“女性”というフィルターを通してセレクトされたジャズの数々は、コダワリでコチコチに凝り固まった“オトコのジャズアタマ”を柔らかく解きほぐしてくれるかもしれません。

Something Jazzy 女子のための新しいジャズ・ガイド

Something Jazzy 女子のための新しいジャズ・ガイド

  • 作者: 島田 奈央子
  • 出版社/メーカー: 駒草出版
  • 発売日: 2010/01/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

島田さんのセレクションを見て「こんなんジャズじゃない」という方がいたとしたら、それは脳内硬直化現象の兆候かもしれませんですぜ(笑)。

「あなたの中のジャズ」と「島田さんセレクトのジャズ」が違うのはアタリマエじゃぁありませんか?
むしろ、その違いとギャップを楽しむぐらいの心の余裕を持たなくては。

やれブルーノートだ、やれピアノトリオだ、やれヴィーナスだ、などというあなたの中の狭いコダワリと、世の中の女子に向けて「こういうジャズは如何?」と広く開かれたジャズの門戸を覗いてみるのも悪くはないのではないでしょうか?

さて、いよいよ明日から放送の特集には、ゲストに島田奈央子さんをお迎えし、島田さんの「女子ジャズ」と、我々男子が考える「女子ジャズ」のバトル(?)が繰り広げられます。

お楽しみに!

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この記事へのコメント

  • teriri

    いつもポッドキャストをDLしています。
    今週はいつもと違う声。ゲストのトミーという人なのでしょうか?
    内輪話ばかりで当事者ではない自分には意味不明なところも多々。
    高野さんとディレクター嬢のかけ合いが懐かしい。復活しないんですか? 本編のほうは住んでる場所が場所なので聞けてません、残念です。
    2010年05月01日 10:24

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