放送第75回『エリック・ドルフィー~アルトサックス編』(2)



本日は、番組でかけたアルバムと曲を紹介いたします。

今回、ドルフィーのアルトサックスの特徴として、3つのキーワードを掲げてみました。

1、超スピード
2、無重力
3、肉感的

このキーワードに則って、各曲を紹介してゆきましたが、
まずは、ドルフィーのアルトサックスが描き出す摩訶不思議かつスリリングな世界をお楽しみください。

アルバム『アウト・ゼア』よりタイトル曲《アウト・ゼア》。

アウト・ゼア

アウト・ゼア

  • アーティスト: エリック・ドルフィー,ロン・カーター,ジョージ・デュヴィヴィエ,ロイ・ヘインズ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/09/16
  • メディア: CD



芯が太く、腰の強いアルトサックスが、無限で夢幻の世界へとグングン突き進んでいきます。


次は、ドルフィーが、パーカーのやった内容を十分に理解し、さらにそのイディオムを深化発展させていることを感じてみましょう。

ということで、
チャーリー・パーカーの《キム》の一部をかけ、
次いで『ベルリン・コンサーツ』から《アイル・リメンバー・エイプリル》かけました。

これは、有名なスタンダードをやっているだけに、キーワード1の「超スピード」をより一層強く感じられるのではないかと思います。

ナウズ・ザ・タイム+1

ナウズ・ザ・タイム+1

  • アーティスト: チャーリー・パーカー,アル・ヘイグ,ハンク・ジョーンズ,パーシー・ヒース,テディ・コティック,マックス・ローチ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2005/09/14
  • メディア: CD

ベルリン・コンサート

ベルリン・コンサーツ

  • アーティスト: エリック・ドルフィー,ベニー・ベイリー,ペプシ・アウア,ジョージ・ジョイナー,バスター・スミス
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: CD



さて、キーワードの2「無重力」を感じてもらいましょう。

ドルフィーがコルトレーンのソロに喰ってかかることで有名な『インナー・マン』の《ミスターPC》です。

あくまで重力に縛られ、重力から脱却しようともがくコルトレーンに対し、ドルフィーのソロは、最初から重力圏外で無重力遊泳をしています。
この超立体的なソロ構築と、無重力の中での高速運動は、当時、コルトレーンのサイドマンでありながらも、既に親分を喰ってしまってさえいるドルフィー。
凄い!の一言です。

At Birdland 1962

At Birdland 1962

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Charly
  • 発売日: 2001/07/30
  • メディア: CD



お次は、キーワード3の「肉感的」。
これはもう、ジョージ・ラッセルの『エズセティックス』の《ラウンド・ミッドナイト》でしょう。

エズセティックス

エズセティックス

  • アーティスト: ジョージ・ラッセル,デイヴ・ベイカー,ドン・エリス,エリック・ドルフィー,スティーヴ・スワロウ,ジョー・ハント
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/01/21
  • メディア: CD

内臓を振り絞るかのような、アルトの肉声。
そう、まさに肉声です。

そしてラストは、キーワードの1~3が同時に満たされている白熱の演奏、『アット・ザ・ファイヴ・スポットvol.1』より《ファイヤー・ワルツ》です。

言うことなしの名演!

アット・ザ・ファイヴ・スポット VOL.1+1

アット・ザ・ファイヴ・スポット VOL.1+1

  • アーティスト: エリック・ドルフィー,ブッカー・リトル,マル・ウォルドロン,リチャード・デイヴィス,エド・ブラックウェル
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/19
  • メディア: CD


このアルバム、学生時代は、ほんと、ドルフィーのソロを全部口ずさめるほど聴きこみました。
ま、大きな声で口ずさむと、かなり変態というか、病院送りにされかねないので、小さな声でくちずさんでいましたが(笑)。

ちなみに、映画『スウィング・ガールズ』では、竹中直人演じる、ジャズマニアの高校教師が、上野樹里ちゃんや貫地谷しほりちゃんたちに、恍惚とした表情で、このアルバムのパーソネルを「エリック・ドルフィー、ブッカー・リトル、マル・ウォルドロン……」と語るシーンが出てきます。

スウィングガールズ スペシャル・エディション [DVD]

スウィングガールズ スペシャル・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD


じつは、私もポッドキャスト編で、パーソネルの名前を一人一人、うわごとのように言ってるんですよ。

そのときは半ば無意識に喋っていたので、そのときは『スウィング・ガールズ』の竹中直人のシーンは頭の中にはなかったのですが、後になって思い出すと、「ああ、俺、あのシーンと同じことやってるよ(笑)」

『アット・ザ・ファイヴ・スポット』は、あまりの素晴らしさゆえに、参加ジャズマンの名前を言ってしまいたくなるアルバムなのだろうか……。

いずれにしても、ドルフィーのアルトサックスっていいな!
ドルフィー最高!!

と、同録をプレイバックしながらドルフィー熱にうかされる私なのでしたるんるん

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