電グルの《少年ヤング》とボブ・ジェームズの《マルコポーロ》


年を経るにつれ、過去の思い出や記憶、映像などのエッジがうすれ、色彩がじわじわと退色してゆく一方で、それに比例するかのように美化されがちなものだと思うし、私が中学、高校のときの80年代ド真ん中の記憶も、まさにそのような感じだったんだけれども、それを蒸し返すように80年代のダサ&キッチュな部分を確信犯的に畳みかけてくる電グルの《少年ヤング》の映像を観るにつれ、アナログ写真と化しかけた記憶が、ジャミッ!とデジタルな画像処理に置き換えられ、現実に引き戻されたような感覚が襲いかかるので、なんちゅーか過去が美化されるどころか汚化されてゆくようなヤケクソな快感も微妙にあったりするわけです。


息子が電グル好きの年頃になってきて(笑)、
たまたまYouTubeで「父上これ面白いよ」と見つけたのが上の映像なんす(笑)。

⇒残念!消されてました。


音源は聴いたことはあるけど、映像みるのは初めてだった。

なーんか、別に否定はしないんだけれども、なかったことにしたい過去って誰にでもあるじゃない?

話の枠を強引に拡げると、きっとどのミュージシャンにも、無かったことにしたい作品ってあると思うんだよね。

ま、それをほじくり返そうとか、探そうだなんて悪趣味はないんですが、つい先日、たまたまジャズ友の1人が、「和ジャズにおける無かったことにしたい70年代の作品」というフレーズが耳に残り(どのジャズマンのどのアルバムかは秘密)、なんだか、そーいうことを思い出してしまったであります。

まったく話はかわりますが、80年代半ばといえば、

サントリーのCMで使用されていて、
なおかつ友達のカッコいいお姉ちゃんがサントリーに勤めているからという理由で貰ったCDがボブ・ジェームズの『フォクシー』。


foxie.png


これ結構聴いたなぁ、
《マルコポーロ》って曲が、なんか爽やかでいいよね、なんて彼女に言ったりしながら(笑)。

Foxie

Foxie

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros./Tappan Zee
  • 発売日: 1995/10/17
  • メディア: CD

でも、仕方ないやね。
わたせせいぞうのハートカクテルなんかのようなイラストがオシャレで、それを見ながらI.W.ハーパーを飲むのがカッコよかったんだからさ(笑)。
ハイボール世代より後の世代なのよ俺たちは、
つーか、高校生が酒飲むな!って

私が社会人になった頃は、もっくんの「リザーブ友の会」とかがCMでやってましたが、私はついぞ合コンをすることなかった。

というか、別にお酒の話ではないのですが、
じつに20年ぶりぐらいにボブ・ジェームスの『フォクシー』を聴いてみたんですね。
そうしたら、
ああ、フュージョンでした(笑)。

なにあたりまえなこといってんだこのやろー 

と思われるかもしれませんが、
当時はフュージョンって言葉すら知らずに、私は『フォクシー』や『ハンズ・ダウン』をTDKのSRXや、ソニーのDUADやBHFに落としてウォークマンしていたんです、私。

飯島真理が『Rose』というアルバムの《シークレット・タイム》という曲を「私はこの曲を作った当時はフュージョンに狂ってました」みたいなことを書いていたベスト盤があったのだけれども、コレを読んだときは、当然私はフュージョンって、カシオペアのことだと思っていた(笑)。

▼《シークレット・タイム》は、このアルバムの5曲目です
ROSE

ROSE

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 1994/06/25
  • メディア: CD

もちろんカシオペアって、行儀のよいお兄さんお姉さんが聴く音楽だと思っていたから、自分とは違う世界の音楽だと思い、ついぞ1枚もアルバムを買うこともなく現在にいたっているのですが、まあ、曲のイメージや雰囲気はなんとなく耳でかじってはいました、当時から。勉強できる秀才君ばっかだったような気がします、ファン層は。

で、そんなフュージョンって言葉もあんまり知らない私がボブ・ジェームスの『フォクシー』を、
「なんか大人っぽいね」なんていいながら、とくに女の子の前では意図的にかけていた(笑)。

あ、それで思い出しましたが、そうか、以前、70年代に青春時代を過ごした若者はジョージ・ベンソンの『ブリージン』で女を口説いてたというような話を聴いて、「うっそ~!?」と一瞬感じたものだけれども、俺だって同じよーな下心あったんじゃん!って今さらながら思いだし、気が付きました(阿呆)。

ブリージン

ブリージン

  • アーティスト: ジョージ・ベンソン,ジョルジュ・ダルト,ロニー・フォスター,フィル・アップチャーチ,ラルフ・マクドナルド,スタンリー・バンクス,クラウス・オガーマン,ハーヴィー・メイソン
  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1997/11/22
  • メディア: CD



話もどって、いま『フォクシー』のパーソネル見ていて驚いたんだけど、
マーカス・ミラー、
ロン・カーター、
スティーヴ・ガット、
デヴィッド・サンボーンらが参加しているのね。

何も考えずに聴いていた(笑)。
というか、高校生の頃の私はパーソネルなんて見なかったし。

改めて聴くと、もろサンボーンの音色はサンボーンしているし、ガットのリズムは畳みかけ&タイトだし、マーカスのスラップは硬くて重い。

サントリーのCMにも使われたぐらいだから(そのCMはついぞ見たことなかったけど)、かなりコマーシャルなサウンドであることには違いないんだけれども、彼らの個性がそのまま見事に発揮されていますね。

逆にいえば、彼らの個性そのものがコマーシャルなのだと言えなくもないけど(笑)。

とにもかくにも、よくまあ、このアルバムを飽きることなくウォークマンなんかでかけていたなと今となっては思います。

もちろん悪くはないけれども、あんまりドキュンと胸を撃つ要素は乏しいよね。
思い出したように次に聴くのは、たぶん2020年頃かな?と(笑)。

今日、今この瞬間、自分的にオシャレだと思っているのは、西山瞳さんの《ジ・アザー・サイド・オブ・ミッドナイト》ですから。

パララックス

パララックス

  • アーティスト: 西山瞳,坂崎拓也,清水勇博,馬場孝喜
  • 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
  • 発売日: 2008/09/17
  • メディア: CD

この記事へのコメント

  • いっき

    雲さん。こんばんは。

    先日はお疲れ様でした。
    とても楽しかったです。

    電気グルーヴのこのPVよくできていますね~。
    懐かしいです。
    アイドル(松田聖子、中森明菜など)全盛期。
    和フュージョンで言えば、カシオペア&スクエアー前に、80年代初頭の高中正義の大ブームがあります。
    私が高校の頃、軽音楽部は学園祭でみんな高中やってました(笑)。
    《マルコポーロ》よくCMで流れていましたね。
    80年代後半のハート・カクテル&松岡直也ブームもありましたね。
    懐かしいです。
    2010年01月13日 23:57
  • tommy

    雲さん、こんにちは。

    YouTubeって余計なお世話かもしれませんね。
    そのうち、過去の人がパソコンから語りはじめる映像で溢れるかも?映像って恥ずかしい程にリアルですよ。
    記憶はあいまいな方がいいと思う今日この頃です(笑)。

    んで、余計なお世話!
    サントリーCM ボブ・ジェームス
    http://www.youtube.com/watch?v=HZVUa4zJgXw
    2010年01月14日 03:22
  • いっきさん

    高中ブームは完全に圏外でしたね。
    大人になって、ライブハウスのような飲み屋に集う、かつてのギター小僧中年さんたちの話を聴いて、へ~そうだったんだぁと知ったぐらいですから。
    ただ、音と当時の風景はなんとなく想像できます(笑)。


    tommyさん

    ほんと、曖昧なままのほうがいい場合もありますね。
    ボブ・ジェームスのCM、なんか凄いっす(笑)。
    鼻歌まじりにピアノを弾いているところが、なんとなくマシューズさんを思い出しました。

    関連画像で、ロン・カーターのサントリー・ホワイトも出てきましたよ。

    http://www.youtube.com/watch?v=P2BLuXV7k3M&feature=related

    ピアノはケニー・バロンだったんですね。
    2010年01月14日 04:55
  • tommy

    このCM、ケニー・バロンのピアノが和モノっぽくてイイ。
    ところで、前から気になっていたのですが、ロン・カーターのベースのヘッドの上に延びているのは何ですか?
    指板が延びたような黒い棒・・・何だろう。

    Kenny Baron(p)
    Ron Carter(b)
    Crusher Bennett(perc)
    Earl Williams(ds)
    2010年01月14日 12:06
  • tommyさん

    え~、このことについては既に私が「Swing Journal」の2009年2月号にも書きましたので、それを読んでいただければお分かりの通り……、というのは冗談で(笑)、「Cマシン」ですね。
    ハードロックの人たちもエレベの4弦につけている人が時々いらっしゃいますが、ロン・カーターの場合は、それのウッドベース版とでも言うべきもので(順序が逆?)、このCマシンにつけてある留め金のようなものを外すと、最低音の「E」よりも距離が稼げる分、「C」の最低音が出せるというわけです。
    ロンのベースはよくみると、胴の厚みが私のウッドよりもないですね。
    普通のベースと、tommyさんが練習用に使っているベースの中間ぐらいの厚みに見えます。
    音の通りは良いのだろうけれども、深みとコクのある低音は出しづらいんじゃないかな? もっとも、最初からそういう音じゃないけど(笑)。♪クイ~ン、グォ~ンですもんね。
    2010年01月14日 14:08
  • tommy

    そうか、そうか。E弦でCまで出せるような仕組みにしているんですね。
    オプションパーツね。カッコワリ~っ!!(笑)。

    ロンは何時ごろから、ああいうベース音になったんだろう?
    それで、エレベがキライっていわれてもピンとこないなぁ~。
    ウッドの王道としてはロンは参考にならないけど、ジャコが聴いていたということでは、興味津々。
    2010年01月14日 22:30

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