さっくりと聴きやすいスムースファンク~トミィ
たまにはジャズ以外の話題を。
スロバキア出身のシンガーソングライター、トミィのセカンドアルバム『ウィズ・ユー』は、なかなか耳に心地よいアルバムです。
tommyじゃなくて、TOMIね(笑)。
“極上のシルキー・ヴォイス”というキャッチコピーそのままの、甘くて柔らかなボイスと、サックリと耳当たりの良い打ち込みサウンドが、とても気持ち良いのです。
ジャズばかりを聴きまくり、ちょことザラッとしてきた頭を、ツルリと洗浄してくれるかのような柔らかサウンド。
1ヶ月に1度ぐらいは、CDプレイヤーやDVDプレイヤーのヘッドにはクリーニングをかけたほうが良いように、ゴッついジャズをたらふくいただいた後に挟む、軽やかな打ち込みR&Bは、頭の中を柔らかくマッサージしてくれるかのようです。
エリック・クラプトンの《ティアズ・イン・ヘヴン》も、鮮やかな色彩感をたたえて軽やかに蘇っており、何曲聴いてもお腹いっぱいにならないサクッとしたライトな感覚が、とてもグーなのです。
生まれて初めて買ったアルバムがプリンスだというトミィ。
《シンキング・アバウト・ユー》なんて、作詞作曲のクレジットは、TOMIになっているけれども、サビなんて、どう転んでもプリンスではないですか(笑)。
プリンスのファースト『フォー・ユー』の《ジャスト・アズ・ロング・アズ・ウィーアー・トゥゲザー》を彷彿とさせるメロディラインは、プリンスファンが聴けば思わずニヤリとしてしまうことでしょう。
と同時に、ああトミィは、ほんと、プリンスのことが好きなんだな、ということがよく分かり、私の場合は一気に親近感が湧きました。
青い目をした黒人以外のミュージシャンのサウンドを、ブルー・アイド・ソウルと呼ばれているそうですが、この呼称を誇りに感じているTomi。
たしかに、黒人のこってりとした重さとコクは無いかわりに、白人ならではの淡白、あっさりとした心地よさもたまには良いものです。
イーストコーストのヘヴィなジャズを聴いた後に、カラッと軽やかなウェストコースト・ジャズを聴いたときの感覚に近いものがあると思います。
ヌケのよい柔らかな打ち込み音に包まれた心地の良いTOMIの歌声は、まあ分かりやすく言えば“とってもオシャレ”な音楽なのです。
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