放送第64回『デューク・エリントン特集』(3)

今回のエリントン特集、アフターアワーズで、まず最初にかけたのが、チャールズ・ミンガスの《オレンジ色のドレス》です。

Mingus in Europe, Vol. 2

Mingus in Europe, Vol. 2

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Enja
  • 発売日: 1993/06/23
  • メディア: CD

この曲、邦題は短くていいのですが、原題は《Orange Was the Color of Her Dress, Then Blue Silk》。長いっす(笑)。

で、これをかけたら、案の定、ディレクター嬢は「エリントンみたい」。

でしょう?

この重厚さ、ムード、特異なハーモニー。たしかにミンガス臭は強烈ですが、同時にエリントン臭もします。

エリントンのエッセンスにミンガスが味付けをした感じ?

これを聴いてもらえば分かるとおり、ミンガスの音楽はエリントンの音楽の少人数編成化だといっても、あながち的外れでもないでしょう。

次にかけたのが、セロニアス・モンクの《クレプスキュール・ウィズ・ネリー》。

The London Collection, Vol. 3

The London Collection, Vol. 3

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Black Lion
  • 発売日: 2005/04/04
  • メディア: CD

この和音、濁りつつもクリアな佇まい。そして重厚さ。
モンクはピアノでエリントンのエッセンスを独自の個性で出そうとしていたんだということがよく分かりますね。

そして次にかけたのが、大西順子の《プロスペクト・パーク・ウェスト》。

WOW

WOW

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1993/01/20
  • メディア: CD

彼女のオリジナルですが、曲調は、かなりモンク調。モンクのピアノソロの後なだけに、彼女がモンクを研究していることがよく分かる曲調、演奏です。

案の定、ディレクター嬢は「これってモンクですか?」でしたから(笑)。

もっとも、大西さんは、モンクのみならず、デューク・エリントンやミンガスの曲も積極的に取り上げていますね。
それこそ、大西流《オレンジ色のドレス》のピアノはキレが良くて私は大好き。

ピアノ・クインテット・スイート

ピアノ・クインテット・スイート

  • アーティスト: 大西順子,ロドニー・ウィテカー,マーカス・ベルグレイブ,林栄一,トニー・ラベソン
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1995/09/20
  • メディア: CD


ひととおり、エリントンの影響を受けた人たちの音楽をさわりで聴いた後に、肝心のエリントンに戻ってみましょう。

This One's for Blanton

This One's for Blanton

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pablo
  • 発売日: 1994/04/30
  • メディア: CD


「あ~、なんだか大西順子さんのピアノみたい!」とディレクター嬢。
順序が違います(笑)。
大西さんのピアノがエリントン的なのです(笑)。

このように
エリントン→ミンガス(モンク)→大西順子→エリントン
と、サウンドの肌触りが似ているものを、聴いてゆくと、結局は、エリントンにぐるりと戻ってゆくのでありました。

もちろん、ミンガスらエリントンの影響を受けた人たちは、エリントンの真似だけをしているわけでは決してなく、むしろ、強烈な個性を有したジャズマン(ジャズウーマン)たちです。

にもかかわらず、そんな個性の強い表現者の中にも、エリントンのニュアンスが色濃く宿っているということは、エリントンの音楽の巨大さ、影響力、浸透度は計り知れないということですね。

こんな話を、今回の特集のアフターアワーズ編ではさせていただきました。

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