テンプレートの時代

パソコンとネットの普及により、世は急速に「テンプレート」の時代になった感があります。

たとえば、稟議書や出張報告など、ビジネス書式のテンプレートは、簡単にダウンロード出来、これに数字や文字を埋めれば、あっという間に完成します。

テンプレートを作った人は苦労したかもしれませんが、それに乗っかるだけの我々は、ラクです。

さて、ジャズにとって最大のテンプレートは何かというと、私は「4ビート」だと思います。

4ビートという便利なリズムのお陰で、“ジャズ”が希薄な演奏でも、「ジャズっぽく」聴こえるのであります。

シンバルをチンチキ鳴らし、ベースは1小節に4つの拍を刻めば、演奏者と聴衆の間には、「いちおうジャズだよね」という暗黙の了解が成立してしまう。ラクです。

大したことを書かなくても、なんとなく立派な書類に見えてしまうビジネステンプレートみたいです。

テンプレートは、文書やリズムだけではありません。
ジャズ評論にもテンプレートがあるのでは?

ライナーノーツにありがちな、誰々はどこで生まれて、何歳のときに楽器を始めて~といった書き方がそうですよね。

あと、70年代に流行していた難解なスタイル。そーいうのが、当時の時代の空気にマッチしていたのだろうし、きっとカッコ良かったのでしょう。当時の空気を吸っていない私にはよく分からないけど。

この「難解=ありがたし」な風潮に風穴を開けたのが、80年代末に『辛口ジャズノート』で登場した寺島靖国氏のスタイルではないかと。
はじめて読んだときは、ジャズ界の椎名誠かと思った(笑)。でも、従来とは違う新しさも感じた。
主張には賛同しかねることが多いけれど、これはこれでひとつのスタイルだと思います。

そして、ブログ全盛の今日、寺島スタイルのレビューが、ポピュラーなジャズブログのテンプレートになっているような気がします。
いや、もしかしたら「エッセイまじりの評論」というスタイルが、ブログとの親和性が高かっただけなのかもしれないけど。

もちろん、私はテンプレートを否定しているわけではありません。
ただ、ジャズを語る際に必ず出てくる「オリジナリティ」というものは、先人たちが築いてきた土台を利用させていただいている小さな自分を自覚することから始まるのではないかと思うのです。

この記事へのコメント

  • おっちん




    おはようございます


    雲さん


    素晴らしいblogになってきましたね


    うれしい限りです♪


    このJAZZ人口の減るおり

    JAZZの魅力をリスナーに伝えたいですよね


    僕は雲さんを高く評価しますね♪


    神戸 京都 でもJAZZ喫茶の閉店続出してますから

    コル クルセママ マジョリカ


    素晴らしいJAZZ喫茶でしたよ


    僕は高野雲さんというウエブだけのお付き合いですが知り合いになれたことを嬉しく思ってます


    雲さん


    ミュージックバードのJAZZナビゲーターとして頑張ってくださいね







    地元のレインボーFMにも昨日行ってきてレコードプレイヤーとLPを寄付してきましたよ


    ローカルFM局だから設備 レコードの枚数笑うくらいしかありませんでした


    僕もナビゲーターになりたいと言ってきました


    JAZZの魅力を知ってもらいたいものですね


    頑張ってくださいね


    今週の放送楽しみにしてます
    2009年11月18日 05:38
  • おっちんさん

    励ましありがとうございます。

    是非、おっちんさんも番組持ってくださいよ。
    こういうのって「縁」みたいなものも大きいので、局の方と面識あるなら、簡単な企画書を書いて「こんな番組どうですか?」と売り込んでみたらどうでしょう?
    口頭だとなかなかイメージが伝わらないうえに、担当者も、今度は上司や責任者に営業する必要があるわけですから、やはり自分のイメージや考えを紙に落とし込んだほうが良いでしょう。
    あと、本の企画なんかは、かならず類書を挙げて、多少色が違っても、担当者のイメージの落としドコロを作ってあげるのですが、同傾向の番組として「快楽ジャズ通信」をあげていただければ(笑)、レインボーFMで実際に放送している番組なので、話が伝わりやすいと思いますよ。

    頑張ってください。
    2009年11月18日 06:32
  • 心配しています

    雲さん
    テンプレートの話、大いに賛同します。
    さて、コメントしようか迷ったのですが
    心配ですので書き込みます。
    例の誤答がティダさんを刑事告訴したそうです。もしかして雲さんも…。
    あんなゴミ野郎は無視し続けてください。
    くれぐれも用心してください。見守っています。
    2009年11月18日 11:16
  • ご心配いただきありがとうございます。私のほうは今のところなにもありません。ほんと「やれやれ」ですね。好訴妄想(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%BD%E8%A8%B4%E5%A6%84%E6%83%B3)の典型なんじゃないかと。 >あんなゴミ野郎は無視し続けてください。 くれぐれも用心してください。見守っています。 ありがとうございます。 thidaさんへの応援も宜しくお願いします。
    2009年11月18日 11:38
  • konomu

    はじめまして。楽しい番組とブログ、更新されるのを楽しみにしています。

    テンプレートとは目から鱗でした。このエントリーを読みすっかり刺激さ
    れました。昨今、音楽に限らず食やファッションの趣向、果ては生活様式
    までもがテンプレート化しているのではないかと。是非はともかく難解=
    ありがたいの方程式はよくわかります。

    せめてモダーンジャズの先人たちの様に、己の流儀や生き様を突き通して
    いきたいものです。ジャスはいいですよね。
    2009年11月18日 15:09
  • konomuさん

    はじめまして。
    番組とブログ両方チェックしていただいているようで嬉しいです。いつもありがとうございます。

    >昨今、音楽に限らず食やファッションの趣向、
    >果ては生活様式までもがテンプレート化

    そうですね。私もそう思います。
    そして、ありがたく、それらの恩恵を享受させていただいています(笑)。

    でも、ラクな部分は思いっきりラクさせてもらうぶん、すべてはマズいとも思ってます。
    せめて、好きなことやコダワリのあることは、テンプレートのままでは終わらせたくないですよね。
    全部が全部テンプレートな生活だと腑抜けてしまいそうです。

    このへんのバランスというか目線は保っておかないと、怠け者な私の場合、けっこうヤバいかもしれません。かなりのテンプラーなんで(笑)。
    2009年11月18日 16:35

この記事へのトラックバック