放送第60回「ジャズフルート特集」(2)

今回の「快楽ジャズ通信」の特集は“ジャズフルート”です。
ゲストはフルート奏者のMiyaさん。


miya.jpg


今回は番組でかけた曲の紹介です。

ジェレミー・スタイグが好きだというMiyaさん。


jeremy.png


ジェレミーのアグレッシヴな面がよく出た演奏、ビル・エヴァンスの『ホワッツ・ニュー』より《ストレート・ノー・チェイサー》。

ホワッツ・ニュー
What's New/Bill Evans


Miyaさんが最初に聴いたジャズ・フルートのアルバムが『ホワッツ・ニュー』だそうですが、じつは私も最初に聴いたジャズ・フルートのアルバムがこれです。

ジェレミー・スタイグにインタビューをしたことがあるMiyaさん。
「ジャズとは何か?」について、かなり長くジェレミーは語ってくれたそうです。

「冷静に自分を見つめるもう一人の自分がいなければならない」ということを彼は語ったそうですが、この言葉、Miyaさんの音楽にも生きていると感じます。

次の曲は、Miyaさんの新譜『オリエンタル・サン』より《バウンシング・ウィズ・バド》。
なんと、あのバド・パウエルの曲を大胆不敵にもフルート一本でソロ演奏をしています。
パウエルが大好きな私にとっても嬉しい選曲。

選曲理由はバップチューンをやってみようと思ったときに、この曲をやってみようと思ったそうです。
スピード感を失わないように!と思いながら演奏したそうです。

お次はMiyaさんも私も超大好きなエリック・ドルフィーです。
『ラスト・デイト』より《サウス・ストリート・イグジット》。

Last Date
Last Dabe/Eric Dolphy


Miyaさんにとってエリック・ドルフィーは超特別な存在。
ドルフィーのフルートは楽器を超越し、「彼の音楽」になっている。だから、自分がプレイする上では彼のフルートはあまり参考にならないのだそうです。

「やばいですよ~、鼻血が出そうになるんで《鼻血ブルース》と呼んでいます(笑)」

私も『ラスト・デイト』の中では、フルートで演奏されているもう1つの曲、《ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ》よりも、《サウス・ストリート~》のほうが怪しくエキサイティングで好きです。

というか、昔は『ラスト・デイト』といえば、1曲目の《エピストロフィー》と2曲目の《サウス・ストリート・イグジット》しか聴いていなかったもんな~。

けっこう、Miyaさんと私のフルートの好み、一致していますね(笑)。

次はMiyaさんがお持ちのレコード『フルート・サミット』より《枯葉》。

flute_summit.jpg
Flute Summit(Atlantic)


ジェレミー・スタイグ、ジェームス・ムーディ、サヒブ・シハブ、クリス・ヒンゼイらフルーティストが一堂に会したライブ音源。

LPからわざわざCDに焼いてきて持ってきてくれたのですが、音がいいんですよ。柔らかい膨らみと、無理なく優しく空気の中を広がってゆくフルートの音色。

この曲がスタジオで鳴り響いている間は、本当、うっとりしてしまいました。

私がジャズを聴き始めた頃は、世の中既にCD時代になっていたので、ジャズの音源はCDのみで集めていた私。たまにレコードを買うことがあっても、それはジャケット鑑賞用で、ほとんど再生したことはないんですよね。

ジャズを聴く前にハマっていたテクノやスラッシュメタルはLPばかりだったのに、なんだか逆ですよね(笑)。

この《枯葉》の演奏でフルートを吹いているのはジェームス・ムーディのみのようですが、スタイグにドルフィーと、ちょっとアクの強い攻撃的なフルートの後に聴くムーディのフルートはしっとりと落ち着いた気分で聴けます。

ヨアヒム・キューンのピアノソロも面白いです。

お次は再びMiyaさんの新譜『オリエンタル・サン』より《インスティンクト・モーメンツ・1》。
ピアノはスガ・ダイローさんで、ギターが渥美幸裕さん。
完全なフリーですが(Miyaさんは“インプロ”と呼んでいた)、これがまたカッコいいんですよ。
短いながらも刺激的な演奏です。

会話が弾み、あっという間に時間が過ぎてゆき、用意した音源の1/3もかけられなかったのですが、ベタだけれども有名かつ、一応はジャズフルートの第一人者もかけなきゃマズイよねってことで、ハービー・マンもかけることにしました。

ハービー・マンといえばなんといっても代表曲《カミン・ホーム・ベイビー》ですよね。
しかし、ありきたりなバージョンじゃ面白くない。
なので、この曲特有の素朴な土臭さがうすれたぶん、レゲエリズムを基調とした珍しい《カミン・ホーム・ベイビー》を選んでみました。



1989年の録音で、パーソネルは以下の通りです。

ハービー・マン(fl)
ポール・ソコロウ(b)
ロベン・フォード(el-g)
マーク・ソスキン(key)
リッキー・セバスチャン(ds)
シロ・バプティスタ(per)

ちょっとひねりすぎの感もある《カミン・ホーム・ベイビー》ではありますが、聴いたことのない人も多いだろうと思い、こんなバージョンもありますよ~程度の紹介でした。

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック