松本茜さんに弾いてもらいたい曲。

先日、いっきさんのブログでもチラリと出てきたクイン・ジョンソンの新譜の『クイン・ジョンソン・トリオ』。
(ちなみに、記事はこちら⇒「PCMジャズ喫茶」のゲストは川島重行プロデューサー(その3)

このアルバムは私も持っていて、何度か聴きました。
演奏の締まりとスピード感は申し分ないと思います。
iPodで聴くとね(笑)。

そう、このようなタイプのビシッと統制のとれたアンサンブル、破綻の予兆を微塵も感じさせない安定した演奏と、締まりのあるミキシングは、まさに屋外で、願わくば雑踏の中でiPodで聴くにふさわしいインスツルメンタル音楽なんじゃないかと思います。

クイン・ジョンソン・トリオ

クイン・ジョンソン・トリオ

  • アーティスト: クイン・ジョンソン,エド・ハワード,アダム・ナスバウム
  • 出版社/メーカー: スリーディーシステム
  • 発売日: 2009/10/21
  • メディア: CD


先日、久々に朝の山手線に乗ってみたら、朝のラッシュ時だったためギュウギュウ詰めな目に遭ったのですが(笑)、iPodでクイン・ジョンソンを聴いていたので、へっちゃらでした(笑)。

ほんのり辛さの成分もあるミントなピアノが耳に流れていると、「おお、都会のど真ん中で、俺って仕事してるって感じ~?」な錯覚に陥ります(笑)。
ほら、通勤電車の中で人生楽しいな~、今日もワクワクするな~って顔している人って滅多にいないでしょ?

さらに、朝の通勤時間帯に、ターミナル駅からオフィス街に歩く人々って、皆、足早ですよね。少なくとも京都の哲学の道を歩くような歩き方はしていない。

「不機嫌・足早」な都会特有の朝の空気を、ちょっとだけカッコよく彩ってくれるんですよ、クイン・ジョンソンのトリオは。

ジャケットはアダルト&夜なムードを強調しているかのようですが、私にとってのクイン・ジョンソンは朝のピアノ。
「アダルト」ではなく「ビジネス」を感じる。

そう、朝のブレックファースト・ミーティングにぴったりだと思いますよ。これ聴きながら、朝からバリバリ仕事しようぜ~(笑)。

もちろん、すべての曲がそういうわけではないけれど、「アダルト」という言葉からなんとなく連想される「まったり・甘い」というようなムードの逆をいく、「ピリリ・少々ビター」なのが、私が感じる彼のピアノの特徴。

ただ、このアルバムには、好きなんだけど嫌いな演奏があって、それは《チェルシー・ブリッジ》なんです。
ビリー・ストレイホーン作曲の名曲です。

この曲じたいは、私、大好きなんですけど、クイン・ジョンソンの演奏はいまひとつに感じた。だから好きなんだけど嫌いな演奏。

テンポを落としてムーディに演奏しようという意図はよく分かるのですが、スローな時間に呑みこまれてしまっている感じがします。

フレーズの隙間に耐えかねてか、ときおり挿入される高音部の♪ポロリンが情けなくてイヤだ(笑)。

キビキビした演奏は得意なジョンソンかもしれませんが、これぐらいのテンポ設定の演奏になると、間をもたせるのが大変なように感じました。

トミー・フラナガンが『オーバーシーズ』で演奏している、ちょっと早めのテンポの《チェルシー・ブリッジ》が私は好きです。
キビキビとしたピアノと、ほろりとこぼれる情感のバランスが最高なのです。

ザ・コンプリート・オーヴァーシーズ+3 ~50ス・アニバーサリー・エディション~

ザ・コンプリート・オーヴァーシーズ+3 ~50ス・アニバーサリー・エディション~

  • アーティスト: トミー・フラナガン
  • 出版社/メーカー: ディスク・ユニオン
  • 発売日: 2007/12/07
  • メディア: CD

こういう《チェルシー・ブリッジ》なら、何回リピートしても飽きません。

そこで、現代のピアニストで、トミフラばりの《チェルシー・ブリッジ》を演奏してくれる人は誰だろう?と考えてみたのですが、
松本茜ちゃん!あなたしかいない!(笑)

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時折、ライブに足を運ぶのですが、彼女のピアノ、確実に進化していますよ。
もう、初リーダー作『フィニアスに恋して』の演奏を基準に彼女のピアノを認識しないほうがいいかもしれない。
19歳最後の日にレコーディングされた演奏よりも、さらにスピード感が増し、シャープになってきている。
場数をこなしていることが成長につながっているのか、グイグイと前へ前へと演奏を力強く押すパワーも身につけてきています。
大の男も押し倒されるのは時間の問題でしょう(笑)。

しかも、バラードの時にチラリとみせる慎ましやかな「引きの美学」も素晴らしく、私は最近の彼女のピアノには、フィニアス的なものよりもトミフラ的なものを強く感じるのです。

フィニアスはもっとグイグイと押しまくりの困ったチャンな面もありますが(そこがいいのですが)、トミフラの場合はもう少しバランスや協調性を考えつつ、それでいてキチンと自分の世界を築き上げますからね。

そのへんもトミー・フラナガンと松本茜さんのピアノには通じるところがある。

だから是非、松本茜さんにも《チェルシー・ブリッジ》にトライして欲しいと思うのです。
テンポ設定は、クイン・ジョンソンより速く、しかしトミー・フラナガンよりもスローで演奏して欲しいな、と勝手にリクエストしたりして(笑)。

来年の1月には新譜を出す彼女ですが、すでにレコーディングは終えておりまして、残念ながら《チェルシー・ブリッジ》は演奏されていないようですが、次作に勝手に期待したいと思います(笑)。

▼新作出るまでは、1stを聴いて待ってます。
フィニアスに恋して~10代で最初で最後のレコーディング~

フィニアスに恋して~10代で最初で最後のレコーディング~

  • アーティスト: 松本茜,山下弘治,正清泉
  • 出版社/メーカー: Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M)
  • 発売日: 2008/05/28
  • メディア: CD

この記事へのコメント

  • tommy

    雲さん、こんにちは。

    オイラの情報によると、茜ちゃんの新譜は下記のよう内容になるようです。
    リズムセクションは、ハロルド・メイバーン・トリオの二人。矢野沙織のデビューアルバムのメンバーです。
    コロンビアのプロデュサーのブッキングだと思います。

    プレイング・ニューヨーク/松本茜
    2010年1月20日発売
    松本茜(p)ナット・リーブス(b)ジョー・ファンズワース(ds)

    1. ステラ・バイ・スターライト
    2. ジューシー・ルーシー
    3. プレイング
    4. リラクシング・アット・カマリロ
    5. サンセット・アンド・ザ・モッキングバード
    6. トワイライト
    7. 小麦の国
    8. セリア
    9. アイ・シュッド・ケア
    10. マイ・ディア

    え~オイラの予想、妄想(笑)。
    ベースはどっしりタイプですが、ちょっとモコる音色。ドラムはバシャバシャ・タイプで手数が多いドラマーですので、明るくノリノリなアルバムになるのではないでしょうか?(笑)。
    2009年11月27日 06:15
  • けっこう最近の勢いあるライブに近いピアノが聴けそうですね。
    2009年11月29日 05:16

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