放送第53回『レイ・ブラウン特集』(2)

私がはじめてレイ・ブラウンのベースを「いいな」と感じたのは、じつはソニー・ロリンズのアルバムを聴いたときでした。

ピアノレストリオの先駆けとなったアルバム『ウェイ・アウト・ウェスト』ですね。


ウェイ・アウト・ウエスト+3/■ソニー・ロリンズ [SHM-CD]

ピアノなしのベース+ドラム+サックスという編成ゆえ、非常に隙間のある風通しの良いサウンドなのですが、レイ・ブラウンも、ドラムのシェリー・マンも、この心地よいスカスカ感を楽しむかのように、無理して空間を埋めようとしないマイペースなプレイに好感を持ちました。

とくに、バラードの《グレイター・ラヴ》のベースが聴けば聴くほどいいな、と。

スローテンポゆえ、さらに演奏の風通しの良さが際立ちます。
しかし、レイ・ブラウンは、テナーサックスとドラムの音空間の狭間の風通しの良いサウンドを楽しむかのように、余裕たっぷりに、自分自身のペースを貫き通しています。

もうこれ以上のバッキングはありえないでしょう!というぐらい、少ない音で効果的なベースワークが素晴らしいですね。

他にも《ワゴン・ホイール》の出だしのベースソロもいい。
のほほんとしたメロディを、リラックスして奏でるレイ・ブラウン。

中々良い味出しています。

放送中ではかけられませんでしたが、ロリンズの『ウェイ・アウト・ウェスト』も、レイ・ブラウンのベースの良さがさり気なく出ているリラックス名盤だと思っています。

個人的には同じピアノレストリオでも、『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』のほうが熱気ムンムンで好きなのですが、たまにはシャカリキになり過ぎていないほうの演奏、『ウェイ・アウト・ウェスト』も、たまに聴きと、「いや~、こっちの味わいも捨てがたい」と思うのです。

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