放送第44回『ゲイリー・バートン特集』(2)

ミュージックバードで放送される「快楽ジャズ通信」では、コミュニティFMでは放送されない「アフターアワーズ編」が5分間あります。

今回の「アフターアワーズ編」は、ゲストの山﨑史子さんとセッションをしました。

▼ヴィブラフォンを教えてもらっている私
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曲目は《ドナドナ》です。
山﨑さんから《ドナドナ》希望の連絡があったときは、
え? 子牛の歌の《ドナドナ》?
と思ったものですが、
事前にPDFで届いた譜面を見ると、
山﨑さんがジャズ風にアレンジした内容になっていました。

コード進行がユニークにアレンジされていたので、
自宅のピアノでコード進行をなぞりながら、
なるほど、こういう流れになるのね、結構ツボだ!と嬉しくなり……、
で、ベースで練習するのを忘れたまま、本番当日になってしまいました(涙)。

一回もベースの練習をせず、しかも、山﨑さんが、
「コレ、4分の4拍子じゃなくて、8分の6拍子なんですよね~」
と言うまで、ずっと4分の4拍子だと思っていたアホな私(涙)。

譜面のコード進行ばかりを見ていて、肝心な拍子の表記を見るのを忘れていたのです(呆)。

まあいいや、ええい、ままよ!とばかりに、ぶっつけ本番、ベースでは初見に近い状態で《ドナドナ》を演奏。

始まってから数秒後、すでに自分の気持の中で「やべぇ、しまった!」という箇所にぶつかってしまいました。

「まあいいや、今回の演奏は“練習”だと思って、思いつくまま自由にやってみよう! どうせボロボロな内容になるだろうから、セカンド・テイクはキチンとしっかり弾こう」

そう勝手に決めて、演奏を続けることにしました(笑)。

フレットレスベースだったので、フレットレスならではの弦をスライドさせた♪にゅい~ん!という音を多用したり、「普通ここではこの音は弾かないっしょ!」な音を選択して、ヴィブラフォンとの響き具合をリサーチしてみたりと、とにかく「ボツになること前提の遊びプレイ」をしました。

そして、曲を一通り演奏し終えて、はじめて「なるほど、山﨑さんアレンジの《ドナドナ》は、こういう曲だったのか!」と納得(←遅い!)

でも、一度通しで演奏することによって、曲の構造や輪郭がなんとなく掴めました。
ですので、セカンドテイクは、ファーストテイクの演奏で「しまった!」と思った箇所を修正しながら、堅実にビシッ!と弾けたと思います。

セカンドテイクを収録後、では、どちらのテイクを採用しようかという話になり、私は誰もが「セカンドテイクのほうがいい」と言うと思っていたのですが、山﨑さんも、ディレクター嬢も、撮影にいらしたtommyさんも、全員「ファーストのほうがいい」と言うのですよ(汗)。

「あ、あの~私、ファーストテイクでは、ベースでウソばっかり弾いてるんですがぁ……」と言葉が喉まで出かかったのですが、山﨑さんが「最初のほうが勢いがあったので良かった」と仰ったので、まあ山﨑さんがそう仰るのなら、ということで、私もファーストテイク採用に合意しました。

だったら、もうちょっとカッチリと弾いておくべきだった!と後悔。捨てテイクだと思って遊ばなければ良かった。

本日、改めて《ドナドナ》をプレイバックしてみたのですが、あわわ、やっぱり私のベースが山﨑さんのことを邪魔しまくってます(スイマセン)。

もう少し、出しゃばり根性を押さえるべきでした(スイマセン)。

しかし、私に邪魔されつつも、山﨑さんのヴィブラフォンのプレイは素晴らしい!
芯のある一音一音で流麗に、というよりは力強く確信を持ったプレイがなされています。

番組中でかけたHYPSの《スピーク・ロウ》での山﨑さんのヴァイブラフォンの音よりも、一段と芯のある粒立ちでした。

HYPSの《スピーク・ロウ》のヴィブラフォンは、涼やかな金属音が空気の中を拡散するようなニュアンスで録音されていたので、細やかなパッセージが弾かれても、音の輪郭が少々曖昧だったんですよ。



「これは、マイクの録音のポイントの違いなんだよ。」

そう言ったのは、収録に立ち会い、撮影係も務めてくれたtommyさん

tommyさんは昔、録音マニアで、たくさんのジャズのライブを録音していたそうです。
そのときの経験を活かし、《スピーク・ロウ》のような輪郭が曖昧なヴァイブラフォンの音色ではなく、粒立ちと音の芯をキッチリと捉えるポイントにマイクをセッティングしてくれました。

ヴァイブラフォンは、様々な箇所から音が発せられる楽器なので、マイクをどこにセッティングするかで、音の表情や輪郭がかなり変わってくるのだそうです。
tommyさんは、ヴァイブラフォン本体の直上数十センチのところにマイクをセッティングしていました。

これだけで、♪フォ~ン!
だった音が、
♪ポン!
というシッカリとした輪郭のあるヴァイブラフォンの音色に変わったので、驚きでした。

さすが、tommyさんです。

それにしても、山﨑さんアレンジの《ドナドナ》は、なかなか良かったです。
演奏して楽しい内容に生まれ変わっていました。
今回はデュオでしたが、ドラムやピアノ、パーカッションが入ると、さらにエキサイティングな内容になってゆくのではないかと思います。

このアレンジは山﨑さん自身もお気に入りで、ライブでは必ず演奏するレパートリーだそうです。

最近よく共演しているピアニストの松本茜さんも、この《ドナドナ》のアレンジを気に入っているそうです。


山﨑&松本コンビの《ドナドナ》も聴いてみたくなりました。

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