放送第44回『ゲイリー・バートン特集』(4)

私が最近愛聴しているゲイリー・バートンは、今年発売されたパット・メセニーとのライブ盤です。



この『カルテット・ライブ』というアルバムは、パット・メセニーのギターとゲイリー・バートンのヴァイブの相性がとても良いのです。

ギターとヴァイヴの音色はもちろん違うのですが、それでも音の触感は、まるで双子のよう。

あるときは美しく溶け合い、あるときは互いを引き立て合う演奏のコンビネーションも見事です。

このアルバムのバートンの音色はとてもまろやかに感じるのですが、ゲストの山﨑史子さんによると、ゲイリーは強く叩いているにも関わらず、音色が柔らかなのだとか。

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このへんの不思議さって、実際に楽器をやっている人ではないと分からないことですね。

全然、楽器もフィールドも違うのですが、松井恒松(現在は常松)というベーシストがいます。
そう、かのBOφWYのベーシストだった人ですね。

彼は、直立不動の激しいダウンピッキングで、“男な8ビート”を刻み、BOφWYのサウンドの底辺を手ごわく支えたベーシストです。

彼のダウンピッキングのスタイルは、今につながるビジュアル系ロックの8ビートのベース奏法に多大な影響を与えましたが(今でも与え続けていると思う)、彼、何枚目かのソロアルバムを出したときに、インタビューで興味深いことを言っていたことを思い出します。

たしか『あの頃ぼくらは』というアルバムを発表したときの『ベースマガジン』でのインタビューだったと思いますが、

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あの頃僕らは

「激しくピッキングをすればするほど、音が暖かくなる」というようなことを語っていました。

手元にその記事がないので、ウロ覚えでスイマセンが、たしかそのようなことを語っていた記憶があります。

松井氏のダウンピッキングは、数曲演奏すれば、ピックがボロボロになってしまうほど激しいストロークです。
堅実なベースに聞こえがちですが、じつはかなり攻撃的なベースなのです。
その彼が、「激しさを極めた温もり」について語っていたので、とても興味を覚えた。

山﨑さんの「ゲイリーは激しいけど、音は柔らかい」という言葉で、そんなことを思い出す私なのでありました(笑)。

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