快楽ジャズ通信第29回目の特集はベーシスト、スコット・ラファロの特集です。
全国52局のコミュニティFMでは、本日午後8時より。
ミュージックバードのジャズ・チャンネルでは、明日午後10時より。
ミュージックバードのクロスカルチャー・チャンネルでは、来週水曜日の午後11時より放送されます。
では、今回も番組で流したアルバムと曲目紹介をサラリと。
『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』より《グロリアズ・ステップ》。
ラファロ作曲の美しい曲。
グロリアとはラファロの恋人。
ダンサーだったそうです。
ため息、うっとりの美曲です。
このあたりのラファロの演奏、すなわち「動くベース」の音は、多くの方が耳にされている有名な音でしょう。
しかし、ピアノに絡んでゆく「動くベース」だけがラファロではない、4ビートをステディに刻む演奏も凄いんだぜ、とtommyさんお勧めの音源は、ビバリー・ケニーが歌う《ラバー・カムバック・トゥ・ミー》。
ピアニスト、パット・モランのリーダー作『ジス・イズ・パット・モラン』からです。
お次は、このようなお仕事もしてました、ってことでハーブ・ゲラー『ジプシー』《カウ・ソング》。
可愛らしくもユーモラスなベースを奏でています。
『スタンゲッツ・ウィズ・カル・ジェイダー』より《リズ・アネ》。
ラウンジミュージック的なお仕事もしていたんですね。
『ジ・アライヴァル・オブ・ビクター・フェルドマン』より《マイナー・ラメント》。
ビクター・フェルドマンの代表的アルバムの1枚ですが、ここでのベースワークはエヴァンス・トリオでの高度なインタープレイではないものの、ベースの音色、存在感はまぎれもなくラファロ以外のなにものでもない。
ラスト2曲は、面白いアルバムをtommyさんセレクトしてきました。
ジョン・ルイスがプロデュースのアルバムなんだけど、この『ザ・ゴールデン・ストライカー/ジョン・ルイス・プレゼンツ・ジャズ・アブストラクションズ』は、ジョン・ルイスはプレイヤーとしてではなく、プロデューサーとして参加しているという興味深いアルバムです。
オーネット・コールマンの才能をいち早く認めたジョン・ルイスの先進的なセンスを伺うことのできる1枚です。
ラファロがベースで参加しているのはもちろんのこと、エリック・ドルフィーも参加しているわ、《ジャンゴ》のようなMJQの定番曲から、オーネット・コールマンの『フリー・ジャズ』を彷彿とさせるフリーなアプローチの《クリス・クロス》まで、レンジの広い内容が楽しめます。
最初に《ジャンゴ》。
これは、もう一人のベーシストのジョージ・デュビビエがバッキング、ラファロがソロをとる内容となっています。
次に同アルバムより《クリス・クロス》。
これはエリック・ドルフィーのバスクラリネットとのデュオですが、『フリー・ジャズ』のダブルカルテットの片方が抜けたら、もろこのような演奏内容になるのだろうなと思わせる、気持ちの良いフリーアプローチを楽しめます。
というわけで、今回はこのへんで!
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この記事へのコメント
おやぢ
ラファロの名前を見つけたので
そういえばウチにもあったな、と
今、ブッカー・リトルのアルバムを聴いています!
超久しぶりにかけたけれども
リトルを聴いたらいいのか、
ラファロを聴くべきなのか
迷ってしまいます(汗
雲
おはようございます。
私の場合は、ごく自然にリトルのほうに耳が言ってしまいます。たまにラファロの音にも意識がいくという、8:2ぐらいの関係(?)かな。
ジャケットがいいアルバムですよね。