放送第29回 スコット・ラファロ(4)

プロとしての活動歴が4~5年しかないスコット・ラファロ。

当然、1枚もリーダー作はありません(活動歴の短さのわりには多くの参加音源は残っているのは番組中で触れたとおりですが)。

しかし、ラファロ作曲の素晴らしい曲はあります。

その筆頭が、なんといっても《グロリアズ・ステップ》でしょうね。


番組でも冒頭に流しましたが、美しいメロディのナンバー。

エヴァンスのピアノにピッタリのメロディです。

エヴァンス、ラファロ、モーチアンの3人は、一聴儚げに、しかしその実、かなり力強い確信のともなった演奏を展開しており、彼ら3人のチームワークの良さを味わえる演奏です。

この曲は、『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』に収録されていますが、


このアルバムはラファロの死後「トリビュート」として発売された企画アルバムなだけあり(タイトルの下に小さく"Featuring Scott La Faro"と書かれている)、ラファロ作曲の曲がもう1曲、《ジェイド・ヴィジョン》が収められています。

このナンバーも捨てがたいですが、やはり《グロリアズ~》のイマジネーションあふれる演奏のほうが1枚上手かな?

テーマ部で、エヴァンスの空白に対して3連の連続4回弾きなど、ノリにノッてベースで歌いまくるラファロが実に素晴らしい。

この箇所はインタープレイでも即興でもなく「アレンジ」なのだということは、ヴィレッジヴァンガード・ライブのコンプリートボックスの別テイクを聴けばよく分かります。



もっとも、あらかじめ決められた内容だろうが即興だろうが、素晴らしいことには変わらない。
あたかも、ラファロのベースの多くが即興に聴こえるのは、少し前ノメりになった乗りが生みだす緊張感とスリルが大きいと思います。

ここも、スコット・ラファロの魅力の一つ。
何度聴いても飽きるどころか、常に新鮮な魅力を放ちつづけるラファロ・マジックの一つだと思います。

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