放送第36回『オーネット・コールマン』(4)

オーネット・コールマンのアルバムで、これも是非、聴いておいて欲しい!なアルバム第2段としては、なんといっても『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』を推したいです。




もう、なんというか、こんなに単純で楽しくてもいいの? っていうぐらい、クルクルパァ紙一重のシンプルで鼻歌のようなメロディを、これでもか、これでもかと執拗に繰り返すところが、笑える。と同時に、めちゃくちゃ気持ちいいです。

なんて、オーネットのサックスは奔放で、既成概念にとらわれないんだろう。オーネットが大好きな、2台の楽器の並列演奏も健在だし、この2台ずつの楽器が微妙にズレながら並走してゆく様も、とてもなまめかしてくて気持ちいい。

以前聞いた話なのですが、ストレートアヘッドなジャズばかりを聴いていた人が、オーネットの『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』を聴いたら、あまりの突拍子のなさにぶっ飛んでしまったそうです。

この音楽のズレの感覚に、自身の感性をチューニングするのに時間がかかったようですがが、それはきっとその人の感性が古かっただけなのかもしれません(失礼)。

だって、私の場合、あまりにも素晴らしすぎる音楽なので、これまで何人もの若い人(おもに20代の女性)にこれを聴かせてきていますが、「難しい」とか「わけがわからない」といって顔をしかめた人は皆無でしたから。

たとえば、この番組のディレクター嬢も20代ですが、『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』の延長線上にあり、楽器編成も似ている『ヴァージン・ビューティ』を聴かせたら、楽しそうに聴いていたし、それこそ踊りだしかねない勢いでしたからね。

頭で聴いていない。音を音として素直に受け入れ、感じているのだと思うし、むしろジャズ知識でガンジガラメになったガチガチのジャズマニアよりも、何の先入観も知識もないピュアな感性の持ち主のほうが、オーネットの音楽はスッと受け入れるのかもしれません。

特に、番組冒頭でかけた『ヴァージン・ビューティ』がお気に入りの方は、こちらにも手を伸ばしてみてください。

ジャズとか、問題作とか、そういった先入観はいっさい抜きに、ひとこと、とっても楽しい音楽です。

曲の時間が長いので、番組ではかけられなかったのが残念ではありますが、この曲は、ラジオで聴くよりも、iPodに落として、街の中を歩きながら、雑踏のノイズをもSE(効果音)として聴いたほうが楽しさが増すのかもしれませんね。

そういえば、先日、山手線に乗っていたら、渋谷でアルトサックスのケースをかかえた若い女性が乗車してきて、彼女のイヤフォンからは、思いっきり、《ダンシング・イン・ユア・ヘッド》のメロディが漏れ聞こえてきました。

へ~、かっこいい女性だなぁと思って、よくよく見ると、彼女、エリック・ドルフィーの『アット・ザ・ファイヴ・スポットvol.1』のCDジャケットのライナーノーツを読んでいた(笑)。

素晴らしすぎです(笑)。
ゲストの纐纈雅代さんもアルト吹きでオーネット好きですから、今後、このようなオーネットの自由奔放な音楽を愛する女性サックス吹きがたくさん現われてくれると嬉しいと思います。

で、ライブや練習のときは、私のこと呼んでください(笑)。
いつでも、伴奏係としてベースをかついでかけつけますから(笑)。

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