ジャケット眺めながらコーヒー飲みたい

霧にかすむ遠方のエッフェル塔を背後に、コート姿の2人のジャズメンが談笑して歩いている。

ジョン・ルイスと、サッシャ・ディステルだ。
オシャレなモノクロ写真お上に赤いゴシック体のタイポグラフィ。



上記CDジャケットは、トリコロールをあしらっているのか、オレンジがかった赤と水色のストライプがはいっているが、オリジナル盤のLPは、たしか、このストライプはなかったはず。

個人的には、ストライプがはいってないバージョンのほうがスッキリしていて好みなのだが、いずれにしても、ストライプがはいっていようがいまいが、なかなか秀逸なジャケット。

淡白な演奏の中にも、味わい深さがつつみかくされた演奏の連続。
まずは、なんといっても《ディア・オールド・ストックホルム》の淋しい(?)出出しに耳が吸い寄せられる。

ピアノ、ギター、ベース、それぞれの楽器が交代でテーマの旋律をポツリポツリと弾いてゆき、次第に演奏が盛り上がってゆくという次第。凝ったアイデアではないが、思わず演奏にリスナーを引き込んでしまう巧みなアレンジ。

目玉は、やはりタイトル曲《アフタヌーン・イン・パリ》か。
ゆったりと歩くようなテンポで、快活に、かつ堅実な演奏、バルネのテナーもゴキゲンだ。この曲で、こんなに熱くなってどーすんの?ってぐらいの温度で。

しかし、全体的に貫かれているトーンは、ジョン・ルイスならではの、抑制されたゴキゲンさ。これは、もう1人のリーダー、サッシャ・ディスティルの慎み深いギターの協力があってこそ、成立した世界だ。

ジョン・ルイスのピアノもそうだが、サッシャのギターも、「控え」の美学をわきまえている。聴く者を飽きさせない工夫を随所に盛り込み、ニクたらしいほど、手持ちのカードをたくみにきってくる。

ジャズ喫茶で聴いているときは、思わず空になったコーヒーカップにお代わりを注いでもらいたくなるような、もうちょっと聴いていたい度の高い演奏だ。

もちろん、ジャケットをじーっと見つめながら、ね。

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