放送第24回 ジャコ・パストリアス特集(1)

本日放送の第24回「高野 雲の快楽ジャズ通信~What Is This Thing Called Jazz?」のテーマは、ジャコ。

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ベーシストのジャコ・パストリアスの特集でお送りします。

コミュニティFMでは本日午後8時より。
衛星デジタルラジオ・ミュージックバードでは、明日の午後10時からの放送になります。

ゲストは、ジャコ・パストリアス研究家にして、サイト「じゃこのめ」の管理人のじゃこのめさんです。

じゃこのめさんのサイト「じゃこのめ」は⇒こちらをご覧ください。

今回、私の選曲は2曲。
それ以外の選曲はじゃこのめさんです(笑)。


まず「掴みの1曲」。
76年に発売され、今なお売れ続けている彼の代表アルバム『ジャコ・パストリアスの肖像』より《ドナ・リー》。


じゃこのめさんが持参したブルースペックCDは、音像がクッキリとリアルに蘇っています。


じゃこのめさんとジャコの出会いは、ジョニ・ミッチェルの音楽だそうです。

仕事場での深夜2時。
ラジオから流れてきた浮遊感のあるギターと「ふぁおん・ふぁおん」という不思議な音色。
この体験を機にジャコのフレットレスベースの音色に魅せられたそうです。

このときFMから流れていた音楽が、ジョニ・ミッチェルの《ゴッド・マスト・ビー・ア・ブギーマン》だったのです。



なお、じゃこのめさんの“深夜2時体験”に関しては、ご自身のブログにも書かれていますので、ご覧になってください(こちら

今度は私の選曲です。
「ジャコのベースの特徴」ということで2曲続けざまに。
じゃこのめさんセレクトの音源を楽しみたかったので、いずれも短めの曲を選びました(笑)。

まずは、16ビートのピッキングの素晴らしさ、空ピックを有効に使ったグルーヴ感を味わってもらおうという意図で『ナイト・フード』より《エイント・ナッシン・バット・ア・パーティ》。


そしてもう一曲は、ベースの美しい倍音(ハーモニクス)を効果的にセンスよく、かつ大胆に演奏に取り入れたこともジャコの大きな功績です。
ということで、再び『ジャコ・パストリアスの肖像』より《トレイシーの肖像》。



次のテーマは、「ジャコ流アンサンブルの面白さ」。

もとはと言えば、R&B系の音楽を聴いて育ってきたジャコ。
ブラス・ロックが彼のルーツです。

何度か本にも書いてきたことでもありますが、私はジャコのベースは、ジャズという世界では「ビ・バップという標準語を、R&B訛りで話す人」というイメージを持っています。

聴くだけではなく、若かりし日の彼は、もろR&Bな演奏も実際に行っていますし、最近は、その音源も発売されていますね。


この頃のジャコのフェンダー62年ジャズベースは、まだフレット付き。
一説によると、日々度重なるギグによりフレットが削れてきてしまったので、思い切ってフレットを取り払ってフレットレスにしたのだとか。
(普通は2~3年に1度の頻度でフレットの打ちかえをします)

R&B漬けだったジャコは、ホーン・オーケストレーションのアンサンブルの勉強もしていたそうです。
そんなジャコが、ウェザーリポート脱退後に結成したバンドが「ジャコ・パストリアス・ビッグバンド」。

オーレックス・ジャズ・フェスティヴァルでの素晴らしい演奏が『TWINS』というアルバムに残されています。
この中から《ザ・チキン》をじゃこのめさんはセレクトしました。



本来はジャコの曲ではないのですが、「ジャコといえばまずはチキン」みたいなイメージを持たれている方も多いと思います。

実際、私も大学のジャズ研に入部した際、しょっぱなに弾かされた曲が《ザ・チキン》でした(当時はベースをやっていなかったのでキーボードで伴奏つけました)。

ジャコがジャズの手ほどきをうけたのは20歳を過ぎてからとのこと。
ジャコの根底に流れ続けるあのグルーヴは、ジャズを学ぶ前より既に醸成され、完成されていたR&Bのノリなんですね。

ジャコは、ベーシストとしてのみならず、作曲、アレンジにも特異な才能を発揮しまくっています。

その中でももっとも彼のアンサンブルアレンジや作曲の素晴らしさが結実したと思われる1曲として『ワード・オブ・マウス』より《スリー・ビューズ・オブ・ア・シークレット》。



トゥーツ・シールマンスのハーモニカが泣ける!
美しいメロディ、ハーモニー。
流れるように夢見心地な進行ですが、過去にこの曲をコピーしたことのある私にとっては、めちゃくちゃ難しい臨時記号と転調だらけの難曲でもあります。

ただ、泣いていたのはピアノやギターのコード楽器の人たちで、基本的にはルートを抑えているだけでも十分にアンサンブルとして機能するベースを弾いていた私は、シンプルなベースラインを押さえているだけでも夢見心地になれる美曲ではありました(笑)。

ラストのじゃこのめさんからの「これは聴いとけよ!」ナンバーは、ジョニ・ミッチェルのライブ盤『ジャドウズ・アンド・ライト』より《ヘジラ》。

マイケル・ブレッカー、パット・メセニー、ドン・アライアスと今振り返ってみるとスゴイ面子との共演ですね。

ジャコもブレッカーも素晴らしいプレイをしています。



残念ながら、この曲は時間切れでこの曲はフェード・アウト。

というわけで、あっという間に放送は終了。
うーん、ジャコの話題はつきない……。
もう1時間ぐらいほしかった(笑)。

なお、今回の放送については、じゃこのめさんのブログ「じゃこのめ_BloG」にもアップされています。こちらもご覧になってください。

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