坂本龍一の新譜と新刊

坂本龍一の自伝、『セルダム・イリーガル』以来、約20年ぶりの自伝を読んでいる。



幼少期から現在までの教授の足跡。

ファンとしては面白く、また、駆け足で読んでしまうのが勿体ないので、パラパラとランダムにページをめくりながら、興味のあるトピックスから、ゆっくりと読んでいる。

村上春樹の本を読むときと同じで、勢いに乗って早く読み終わるのが勿体ないので、勢いをセーブしながらゆっくり読むのも、なかなか楽し。

興味深い、というか、「そうだったんだ」と感じたエピソードを1つ書くと、『BGM』に《CUE》という細野さんと幸宏氏の共作の曲があるんだけど、この曲が出来たとき、教授は「二人から復讐されているな」と感じたのだそうな。

この空気は、幸宏氏もキャッチしていたらしく、YMOの再々結成のときに幸宏氏は恐る恐る「CUEをやらない?」と教授に尋ねたのだそう。

なるほどね~、そういうマインドの確執もあったんだ。

ほのぼのとしたのは、「YMO再結成」の話。
「再結成」といっても音楽活動の再結成ではなく、最初は「たまには3人集まって一緒にご飯を食べようよ」というのが趣旨だったのだとか(笑)。

ほのぼのとしていて、こういうの好きだな(笑)。

教授の新譜も個人的には好きです。

声に出してアルバムタイトルを発音してみると、あれ? ……アート・オブ・ノイズ?(笑)
きっと語呂は意識しているんだろうな、音の方向はまったく違うけれども。

 


『CHASM』以来、5年ぶりのソロだけれども、私は、『CHASM』は5年近くの間、飽きずに、じっくりと、ゆっくりと、たっぷりと楽しませてもらったアルバムなんです。
3回や5回聴いた程度で、「分かった・分からない」の音世界ではない。
時間をかけて、ゆっくりとこちらの感性を馴染ませる作業が楽しいアルバムなんですよ『CHASM』は。
(特に冬の寒い日に、暖房の効いた暖かい部屋で聴くのが良かった)



今回の新譜も、『CHASM』じっくり、じわじわ、ゆっくりと味わおうと思っている。
だから、今のところ、安易な感想や結論は出すつもりなし。

この記事へのコメント

  • おやぢ

    こんにちは
    教授の新作、ワタシも購入しました
    いやぁ、いい意味での気の抜けた作品だと感じました
    どうしても、教授の作品は力を抜いて聞けないんですよね(^^;
    でも、新作はそんなこともなく流すもよし、聞き込むもよし
    CHASMは、教授らしいといえばらしいですね
    B-2 UNIT進化形みたいな <と、いま思った(w

    それと、語呂の件
    ボクもそう思いましたよ!
    2009年03月20日 09:38
  • おやぢさん

    こんにちは。私もおやぢさんに同感です。
    ここのところ教授の音楽はニュアンス、肌ざわりの大切さにますます大きなウエイトを置いているような気がします。

    CHASMは、そうですね、じつは私も21世紀の成熟した『B-2 unit』を感じます。
    どこがどう共通しているんだ?といわれると困るんだけど、なんかすごく触感が似ているんですよ。
    強いて言えば戦闘的だということ。
    静かに戦闘的なんですよ、CHASMは。
    2009年03月20日 10:45
  • おやぢ

    調子に乗ってコメ連投(^^;
    CHASMはたしかに戦闘的ですよね
    1曲目からガツーンときましたから

    B-2 UNITは、あの時代に大衆が求めていた音楽を
    綺麗さっぱり裏切ったのが戦闘的というか過激でしたね

    発売当時は過激すぎて駄作だと思っていましたが
    なんか、たまぁに聴きたくなってくるんですよね
    でも、持ってるのがLPなんで(汗

    「differencia」は、ホント攻撃的に感じるし
    「Riot in Lagos」は、YMOでのカバーがマイルドですよね
    こっちの方が、断然いい!
    再発されてるみたいなんでCD買おうかなぁ

    過激系もやれるし、
    モウレンバウムとのボサノヴァや
    新作みたいなのもやれる
    世間の作った虚像を裏切りますよね
    2009年03月21日 18:47
  • おやぢさん

    もう連続投稿大歓迎ですよ。
    おやぢさんへの返事に「CHASMは戦闘的だ」みたいなことを書いた後に、教授の自伝の最後のほうを読んだら、偶然にもこのような記述がありました。
    「(アメリカのイラク攻撃に対して、思想や言論やジャーナリズムが何も言わないことに対して)納得いかなくて毎日歯ぎしりして、もうふざけるなと思いながら作ったのが『キャズム』ですね。怒りに突き動かされつつ、やむにやまれぬ気持ちで作ったアルバムです」
    私はキャズム、何の予備知識なしで聴いていたので、制作のモチベーションは怒りだったんだと初めて知ったわけです。なるほど、《coro》のような露骨にノイジーで暴力的なナンバーを除けば、表面的には静かなたたずまいの曲が多い中、それでも水面下には結構熱いものが沸々としているなと感じたのは、それだったのかもしれません。と同時に、「戦闘的」と書いた翌日に「怒りが原動力だった」という記述を読む偶然って面白いなと思っています。

    『B-2 unit』は私もLPで持ってますよ。迫力あってかっこいいですね。かなり黄ばんでるけど(笑)。
    CDは通常ミックスのものと、リミックスのバージョンの両方持ってます(笑)。

    発売当時は、もうサッパリで、「?」の連続でしたが、「教授のことだから、これは絶対何かある!」と飽きずに聴き返しているうちに《participetion mistique》が好きになってからすべての謎が氷解したような錯覚に陥りました(笑)。
    たぶん、人生の中でもっとも聴いた回数の多いアルバムでしょうね。次点が『BGM』(笑)。
    2009年03月22日 18:33

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