放送第18回「セロニアス・モンク特集」(1)

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Underground/Thelonious Monk


本日の午後8時より、コミュニティFM52局で放送される「高野 雲の快楽ジャズ通信~What Is This Thing Called Jazz?」、第18回目のテーマは「セロニアス・モンク」特集です。


個人的な思い入れが強いピアニストなだけに、選曲にはかなり苦労しましたが、数多あるモンクの魅力のすべてをお伝えするのは不可能と割り切り、初心者向けに「モンクって面白い」「聴いてみたい!」と思わせる4つのキーワードを掲げ、それに則った選曲をしました。


そのキーワードとは、
「驚き」
「不協和音」
「メロディ」
「間」
の4つです。


さて、本日は番組で流した曲をさらっと紹介してゆこうと思います。


『アンダーグラウンド』より、モンク作の驚天動地な(?)ブルース、《レイズ・フォー》。




強烈な不協和音の代表的名演《リトル・ルーティ・トゥティ》。



この不協和音が意味するところは?
番組中でその秘密が明かされます。


モンクの最高傑作と評価される『ブリリアント・コーナーズ』よりタイトル曲。



この曲の不可解な構造、演奏者をとまどわすモンク流のイタズラ心についてを番組中で解説します。
アンサンブルの話も出てきたところで、
ブルーノートに録音された《スキッピー》。



うねうねとした奇妙なメロディを尋常ならざる集中力をもって、一丸となって吹奏してゆくトランペット、アルトサックス、テナーサックスの異常な迫力をお楽しみください。
これぞ、演奏者を熱くさせてしまうモンク流マジックなのかもしれません。

このブルーノートでの演奏はモンクのキャリア初期においては、アンサンブル的見地から見てもかなりハイレベルな演奏内容だと私は感じています。


奇妙なメロディのみならず美しいメロディの曲もたくさん書いてますよ、ということで美しいメロディの代表例ということで《リフレクションズ》。



クサいアンサンブルではありますが(笑)、モンクのピアノが主旋律とアドリブのほとんどを占めているので、メロディとピアノの両方を短時間でたっぷりと味わえる演奏でもあります。
ちょっとピアノ含め、全体的にエコーがかかり過ぎている気もしないではありませんが。


《リフレクションズ》が正真正銘の「美メロ」だとすれば、「裏・美メロ」の作曲もモンクの得意技。
その代表例が《モンクス・ムード》や《クレプスキュール・ウィズ・ネリー》です。
今回は後者の《クレプスキュール・ウィズ・ネリー》をコペンハーゲンでのライブから。



これを聴くと、モンク独特の「タイミング」や「間」にメンバーが苦労していることが分かります。
特に、テナーのチャーリー・ラウズが「モンク時間」に寄り添うために一生懸命後追いしていることが感じられます。

そう、モンクの特徴は独特な「タイミング」「間」があるのです。
「モンク時間」です。時間がまっすぐに進んでゆかないのです。

これを味わうにはやはりソロ演奏が一番!
ということで、もっとも極端な形で「モンク時間」を深く味わえるのは『セロニアス・ヒムセルフ』でしょう。



訥々ピアノの決定版です。
間を恐れないピアノです。

このアルバムの中の傑作演奏はブルースの《ファンクショネル》だと思っているのですが、9分近くの演奏ゆえ、これをかけると放送時間が過ぎてしまいます。
かわりに、多くの方の耳になじみのあるスタンダードをモンクはどのような「間」で弾いているのかを感じてもらうために、《アイ・シュッド・ケア》をかけました。


ラストは、独特なタイム感を持ったモンクのピアノの最良のパートナー、アート・ブレイキーの話をしつつ、ブレイキーの隙間なく、かつ柔軟で腰にバネのあるシンバルレガートがカッコ良くマッチした《ウェル・ユー・ニードント》をかけました。

前曲の間だらけの《アイ・シュッド・ケア》とは対局のアグレッシヴかつノリの良いピアノを楽しんでもらえると思います。



というわけで、今回は放送でかけた音源の紹介でした!


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