サージ・チャロフの最後のリーダー作

バリトンサックスの第一人者、ジェリー・マリガンに大きな影響を与え、僅か33歳の若さで、この世を去った白人バリトン・サックス奏者、サージ・チャロフ。

よって、彼が遺した音源の数はそう多くはないが、チャロフがリーダーの最後のレコーディング『ブルー・サージ』を彼の代表をみなすファンは少なくないだろう。




彼のバリトンサックスは、流麗で、淀みがない。
くわえて歌心もある。

しかし、その歌心は、思いつき半分で、その場で瞬間的に浮かんだものをストレートに音として反映されるものではなく、数小節先の着地点を意識した上で、今現在、自分はいったい “今・その瞬間”何を吹けばもっとも次のフレーズが生きるのだろう? という未来位置を予測した上での周到かつ丁寧な歌心だ。

したがって、はっちゃけた勢いや、ぶっ飛んだ表現はしない。
そのかわり、どの演奏も抜群の安定感と、安心して聴ける粒ぞろいのクオリティ。

しかも、このアルバムはリズムセクションがいい。

ピアノがソニー・クラーク、
ベースがリロイ・ヴィネガーで、
ドラムがフィリー・ジョー・ジョーンズというベテラン揃い。

破たんのない、躍動感のあるリズムを提供している。

まるで、ジャケットのようにおしゃれでスマートな内容。

サクッと聴ける、あっさり塩味のハイクオリティ・ジャズだ。

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