ザ・アシスタント嬢は聴いた!(最終回)

さて、一部の方からは熱烈な応援をいただいていた、「ザ・アシスタント嬢は聴いた!」も、本日で最終回です。

なぜなら、アシスタント嬢、本日で退職、なのです(笑)。

今まで、何度も徹夜をさせちゃったり、過酷な労働を強いてしまったこともあったりもしたけど、よくガンバってくれた、どうもありがとう!

新しい環境でも、楽しくバリバリ頑張っておくれ!

というわけで、最後にアシスタント嬢に聴かせたのは、もうジャズの基本中の基本、名盤中の名盤、オーソドックス中のオーソドックス(?)
の、コレです。


マイルスのミュートで咽び泣いた《枯葉》が発表されて以来、シャンソンの曲が、人気でも1、2を争うジャズのスタンダードの1曲となってしまったという極め付けの1枚。

アート・ブレイキー(ds)とサム・ジョーンズ(b)の神妙ながらも堅実的確なサポート。

エレガントで優美、そしてある時は寂しげで、あるときは控えめながらも温度の高い蒼い炎を放つハンク・ジョーンズのピアノ。

流麗なフィンガリングと、よくとおる透きとおった音色で自在に空間のキャンバスに紅(くれない)のアルトを塗りつけてゆくキャノンボール・アダレイ。

そして全体のトーンを厳しく統治するマイルスのトランペットは、深く突き刺すような深みのある蒼色で乾いた秋を描ききります。

寿司や、天丼や、うな丼でいえば、まちがいなく、「特上」。
あるいは、「松」なジャズのアルバムです。

さて、このアルバムを聴いたアシスタント嬢に、いつものように、何曲目が一番好きかと尋ねたところ、嬉しいじゃないですか、私も、このアルバムの中で一番好きな、「3」だと応えてくれました。

つまり、タイトル曲、《サムシン・エルス》ですね。

これは、マイルスが吹く2小節の短いフレーズを、キャノンボールがそっくりそのまま、同じく2小節で反復してゆく緊張感のある演奏。

エネルギッシュでありながらもストイックな雰囲気を常に漂わせるブレイキーのドラムと、ガッシリと男を主張しつづけるサム・ジョーンズのベースというリズムの素晴らしさも見逃せません。
くわえて、ハンク・ジョーンズの、緊迫感漂うブロックコード中心のピアノソロも素晴らしい。

《枯葉》 1曲で有名になってしまっているアルバムな気がしないでもありませんが、このアルバムの真骨頂は、2曲目の《ラヴ・フォー・セール》のピアノのイントロと、ダイナミックレンジの振幅の素晴らしいリズムセクション、

そして、

3曲目の《サムシン・エルス》における ただならぬ緊張感にあると私は思っています。

うーん、彼女、有終の美を飾ってくれましたねぇ(笑)。
いつか、本当にジャズを好きになってくれると嬉しいのですが。

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