今週のこれを聴くべし!~ビリー・ホリデイの《ベイビー・アイ・ドント・クライ・オーヴァー・ユー》

ちょっとご無沙汰してしまった、「今週のこれを聴くべし!」

はい、本日はビリー・ホリデイです。


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近日ラジオ番組で特集するシンガーということもあり、ここのところ、仕事場ではビリーばかりかけている。

今日と昨日で、のげでだいたい150曲ぐらいは聴いたかな。

そんなに、たらふく聴いて、飽きない?

いや、全然!

飽きません!

それどころか、もっと聴きたくなってしまう不思議な磁力の持ち主だということが改めて分かった。

私は最初ビリー・ホリデイのことはまったくうけつけなかったし、昔好きな女の子がビリー・ホリデイ好きだったので、話を合わそうと、一生懸命聴いて良さをわかろうとしていた時期もあったんだけども、まったくダメだった。

ビリーの良さは、努力してわかるものではない。

ある時、ある瞬間、来るべき時に、ふと体内に入り込んでくる類の音楽だ。

村上春樹も何かのエッセイで、ある晩、突然ビリーが染みてきたというようなことを書いていたが、これを読んだときに、「やっぱりそうか!」と思ったものだ。

私がビリーが身にしみてきたのは、20代も後半ぐらいの時分で、細かいシチュエーションは忘れたしまったが、気まぐれにかけたデッカのレコーディング集の中の「ある曲」がふわっと心の襞にやさしくしみ込んできたのだ。

デッカといえば、ビリーの名曲の宝庫。

朝帰りの恋人に「言い訳しないで」と言った《ドント・エクスプレイン》や、お金をくれないお母さんに言った《ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド》などの、“曰くのある名曲”かつ名唱が多いのがデッカ時代のホリデイ。

先日、青木カレンがライブでしっとりと歌っていて改めて「いい曲だなぁ~」と感動した《クレイジー・ヒー・コールズ・ミー》も、ビリーの人生観そのものが歌に出ているようで、ほんと、このような名曲・名唱がデッカには多いのですよ。

でも、私の中に、スッと入り込んできた曲は、このような有名曲ではなく、ぼーっと聴いていたらするりとすり抜けていきそうな、さらりとしたさり気ない曲。

《ベビー・アイ・ドント・クライ・オーヴァー・ユー》だ。

さらりとした歌い方の中には、深い人生のペーソスがしみ込んでいると、そのときは感じた。

「ああ、人生は野菜スープだ!」と(笑)。

この曲がしみ込んで以来、一気に私とビリーとの距離が縮まったことを実感として感じた。

もちろん、今でも大好き。

ファースト・ヴァージョンも含めて、昨日から7~8回は聴いている(笑)。

そんな個人的体験から、今回の「これを聴くべし!」は、デッカレコーディングズから、《ベイビー・アイ・ドント・クライ・オーヴァー・ユー》。

敬して遠ざけている人、ビリーはへヴィーだと思っている人、是非、軽い気持ちで聴いてみてください。

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