カークとサッチモ

Volunteered Slavery.jpg
Volunteered Slavery/Roland Kirk

ルイ・アームストロングとローランド・カーク。

この二人は、演奏のスタイルはまったく違うのだけれども、スタイルではなく、出てくる楽器の音そのものから感じられるバイブレーションは、かなり似ている、いや、同じ派動を感じてしまうのです。

二人とも、音がものすごくエモーショナルで陽気な面もあるぶん、アンハッピーで悲しく切ない音の成分も含有されているんですね。

理論とかアプローチとかスタイルとか、そういう表面的なことではなくて、音に凝縮された人の喜怒哀楽の情報量というのかな、その「情報密度」が二人とも桁外れだと思うんですよ。

特に私がそれを強く思うのが、サッチモの場合は《セントルイス・ブルース》のトランペット。

ベタかもしれないけど、やっぱりコレ、素晴らしい演奏ですよ。

プレイズ・W.C.ハンディ
プレイズ・W.C.ハンディ


そしてカークの場合は《ヴォランティアード・スレイブリー》かな。

『ヴォランティアード・スレイヴリー』は、A面の後半、つまり《アイ・セイ・ア・リトル・プレイヤー》ばかりに夢中になっていたけれども、最近は、冒頭のタイトル曲、そして、2曲目の《スピリッツ・アバヴ》が有するが持つ、重さ、分厚さ、柔らかさが、以前にも増して心地よく感じられるようになってきました。

カークのヴォーカルや、テナー、ストリッチ、マンゼロの一人三重奏の音色に込められた、人の感情の情報量は、やっぱり並み外れています。


▼収録曲
1.Volunteered Slavery
2.Spirits Up Above
3.My Cherie Amour
4.Serch For The Reason Why
5.I Say A Little Prayer
6.Roland's Opening Remarks
7.One Ton
8.Ovation & Roland's Remarks
9.A Tribute To John Coltrane
 a. Lush Life
 b. Afro-Blue
 c. Bessie's Blues
10.Three For The Festival


▼レビューはこちらです
プレイズ・W.C.ハンディ/ルイ・アームストロング
ヴォランティアード・スレイヴリー/ローランド・カーク

この記事へのコメント