リー・モーガン『ラスト・アルバム』で聴けるエレクトリック・アップライトライト・ベース

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The Last Sessions/Lee Morgan

ジャパンのフレットレス奏者である故・ミック・カーン。

私は彼の特徴的なベースが大好きで、だからこそベースを始めたということがあるんですけれども、とにもかくにもミック・カーンのベースは独特なんですよ。

フレットレスの特性を活かした大胆なスライドや、音程を揺らすような奏法。

さらに、ヴォーカルのメロディに張り合うかのような、メロディアスでインパクトのあるベースライン。

こういう存在感のあるベースは、相手次第では単にアンサンブルの邪魔をしかねない存在になってしまう危険性が多分にあるのですが、幸いジャパンの場合は、これまた独特なデヴィッド・シルヴィアンのヴォーカルと、うまく絡みあっていましたね。


さて、リー・モーガンの『ラスト・セッションズ(ラスト・アルバム)』に収録されている《イン・ホワット・ディレクション・アー・ユー・ヘディッド?》ですが、これ、最初にテーマを聴いた時は、一瞬、ミック・カーンがベースを弾いているのかと思ってしまいました。

ベースの主は、なんとジミー・メリット。

アート・ブレイキーの《モーニン》でベースを弾いている人でもあります。

そんな堅実なベースを弾くイメージの強い彼がなぜに?

彼が弾いているベースはエレクトリック・アップライト・ベースなのです。

新しい楽器にチャレンジする嬉しさから、つい?

あるいは、ウッドベースとは似て非なる楽器ゆえ、色いろと実験してみたくなったのかもしれませんね。

ビロ~ンと弦をスライドさせる音や、曖昧な音程でアクセントをつけるような奏法は、まるでミック・カーン。

アンサンブルの邪魔をする一歩手前の危うい、けれども存在感のあるベースを楽しめる16分の長尺演奏なのです。

ハロルド・メイバーンのピロピロした可愛いエレピも可愛いし、執拗に繰り返す子どものようなフレーズもオチャメです。

まあなんというかB級臭さが漂いまくる演奏ではあるのですが、こういうテイストも楽しくてなかなか気持ちが良いものですよ。


▼収録曲
1.Capra Black
2.In What Direction Are You Headed?
3.Angela
4.Croquet Ballet
5.Inner Passions Out


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