ブラッド・メルドーの《ソーラー》

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Art of Trio 4: Back at the Vanguard

イーストコーストのハードバップを聴き慣れた耳で、たとえば、ビル・エヴァンスやエンリコ・ピエラヌンツィのような白人ピアニストの演奏を聴くと?

⇒固い
⇒クラシック的なところがある

そう感じる人も中にはいるかもしれません。


では、彼らを聴き慣れた耳で、今度はブラッド・メルドーを聴くと?

⇒固い
⇒クラシック的なタッチもある


そう感じることでしょう。

ということは?

ハードバップばかり聞いている人が、いきなりブラッド・メルドーを聴くと、

⇒めちゃくちゃ硬い
⇒かなーりクラシック的

と感じてしまうのでしょうね。

たとえば、マイルスの《ソーラー》という曲があります。

これ、段階を踏んで聴いていくと面白いですよ。

まずはマイルスの『ウォーキン』に収録されているバージョン。
非常に、まろやかで柔らかさすら感じます。

次に聴くビル・エヴァンスの『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』に収録された《ソーラー》の演奏と比べると。

しかし、そのエヴァンスの演奏でさえも、次に聴くメルドーの《ソーラー》と比べると、柔らかさを感じてしまう。

それだけ、メルドーが奏でる《ソーラー》は硬い。

しかし、こういう作業をすることによって、かえってジャズマンの演奏の特徴や美学が見えてくることもあるんですね。

たとえば、《ソーラー》という曲の演奏ひとつとっても、いくつかのジャズマンの演奏を聴き比べるだけでも、メルドーが奏でるピアノの特徴がより一層、相対的に浮き彫りになってきます。

もちろん「黒人ハードバップ耳」からしてみれば、カッチカチに最初は感じるかもしれませんが、メルドーならではのノリ、表現の重心のようなものが分かってくるはずです。

そうすれば、しめたもの。

もちろん、これでメルドーのことが嫌いになってしまう人も出てくるかもしれませんが、彼のピアノの特徴が好きになってしまえば、あとは、メルドーが出している様々なタイプのアルバムにも触手が伸びることでしょう。

その第一歩を踏み出す可能性の高い1枚が、コチラ。

『アート・オブ・トリオ4:バック・アット・ザ・ヴァンガード』なのです。


▼収録曲
1.All The Things You Are
2.Sehnsucht
3.Nice Pass
4.Solar
5.London Blues
6.I'll Be Seeing You
7.Exit Music (For A Film)


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