放送第32回 ウェイン・ショーター特集

『高野 雲の快楽ジャズ通信~What Is This Thing Called Jazz?』、今回の特集はジャズマン。

テナー&ソプラノサックス奏者、ウェイン・ショーターの特集です。

全国52局のコミュニティFMでは、本日午後8時からの放送です(この放送時間にあわせて、ブログをアップしています)。

ミュージックバードのジャズ・チャンネルでは、明日(日曜日)の22時より。
ミュージックバードのクロスカルチャー・チャンネルでは、来週木曜日の23時より放送されます。

今回のゲストは、BOZOのリーダーにしてアルトサックス奏者の津上研太さん。

津上さんも、私もウェイン・ショーターには、
独自のショーター観を持っているのですが、
それに関しては放送の中の語りをたっぷり聞いていただくとして、このブログでは、番組でかけた音源をサクッと紹介してゆこうと思います。

津上さんの「ショーター初体験」トークの流れから、津上さんお勧めの「大学時代に聴いた最初の2枚」。

『セカンド・ジェネシス』から《ルビー・アンド・ザ・パール》、『ネイティヴ・ダンサー』から《ポンタ・デ・アレイア》の2曲を続けてお届け。

 


ショーターの作る曲の構造や、キャリアの推移から変遷してゆく作曲への目線の変化などを津上さんが分かりやすく解説してくださいますが(詳しくは放送で!)、話題が「ショーターの作る曲」になったところで、ショーターの作曲の特異さを味わおう! ということで、やっぱりコレは外せないでしょう! な《ネフェルティティ》。

《フットプリンツ》、《ピノキオ》とともに、ショーターを代表する名曲ですね。
マイルス・デイヴィス『ネフェルティティ』から《ネフェルティティ》。



番組の流れ、空気を少し変えましょうということで、BOZOのアルバムから1曲。
《いまだ見ぬ山》。

BOZOの『デュエンデ』は、コタツと灯油の懐かしい匂いのする、遠い記憶の中の「俺的ニッポン」な佇まいがほんわりと漂いつつも、かなり綿密に計算された空間構築っぷりが見事な1枚です。



サックス、ピアノ、ベース、ドラムの4人編成のBOZOが紡ぎだす音世界は、通常のワンホーン・カルテットとはかなり趣きが異なります。

楽器同士の音の距離感を常に意識しあっているような空間の開け方。音配列の妙がとても知的。知的だけれども、どこか懐かしい。

マイルス・デイヴィスはインタビューや自伝などで口酸っぱく「スペース」「スペース」という言葉を発しています。
ショーターは、マイルスの言う「スペース」の意味を理解していたからこそ、重用されていたのでしょう。
そして、私がショーターとBOZOの音楽は似ていないのに、どこか似ていると感じたのはBOZOの音楽からも独特の「スペース」を感じたからなのかもしれません。

この仮説は、津上さんが番組冒頭で「全体の中の役割」と、アンサンブルの考え方を話されていましたが、それを聴いて個人的にはなるほど!と思った次第です。

ショーターとBOZOの微妙に似ているかもしれないね、ってことで、
『ジュジュ』から《ハウス・オブ・ジェイド》をかけてみました。



似ているといっても、旋律とかコードのような紙上に表記可能なことよりも、あくまで、匂い、ムードようなものですが。

でも、津上さん、この曲をやりたいと思っていたそうです。


ラストは、津上さんの新譜より《マーズ・ラッシュ》。

爆発しそうで爆発しないコソバイユイ感じ。
いわば、「寸止めの快感」。

このニュアンスが分かる人、このニュアンスが好きな人は、きっとショーターもBOZOも両方楽しめると思うのですが(笑)、《マーズ・ラッシュ》は、BOZOのレパートリーの中でも、かなり「寸止め快感度数」の高いナンバー。

ワンホーンで演奏されていたこの曲ですが、新たにホーン陣数人とチェロを加えてバージョンアップされているのが、今回の津上さんのリーダー作『ボーゾ・アンド・フォノライト・アンサンブル』のバージョンなのです。



この高度なムズムズ感がたまらんです(笑)。


というわけで、今回は番組で流れたアルバム&曲紹介でした。

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