アフターアワーズ編は、東京オリンピックや東海道新幹線の話など。

エリック・ドルフィー特集のバスクラ編のアフターアワーズ編、バックには『アウト・トゥ・ランチ』から《ハット・アンド・ベアード》をかけました。

本当は、この曲も番組内でかけたいと思った最有力候補の一つではあったのですが、時間の関係と、それとこのアルバムはトニー・ウィリアムス、ボビー・ハッチャーソン、フレディ・ハバードを特集するときのネタにも使えそうなので、温存することに(笑)。


Out To Lunch/Erc Dolphy

非常に先進的で構築的なジャズです。
ものすごく頭を刺激されるサウンド。

サスペンス映画にも使えそうな雰囲気。

もちろん私が好きなドルフィーのアルバムの3本指にはいります。
(ほかの2枚は『アット・ザ・ファイヴスポット vol.1』と『ラストデイト』)

この曲が録音されたのは1964年。

東京オリンピックの年です。
この年の日本は、他になにがあったのかというと、東海道新幹線が開通が大きな出来ごとでしょう。

新幹線が走り始めた年に、ニューヨークのルディ・ヴァンゲルダースタジオでは、こんなに先進的な音楽が吹きこまれていたんですね~。

ウルトラQのケムール人や、ウルトラマンの四次元怪獣ブルトン、それにガバドンの赤ちゃんは個人的にはかなりモダンかつシュールな時代を超越したデザインだと思っているのですが、そのウルトラマンが放送される2年前に、早くもこんなに四次元な音楽が奏でられていたというのは、私にとってはかなり衝撃です(笑)。

 

ちなみに、この年に日本でヒット曲した曲は、坂本九の《明日がある》、ペギー葉山の《学生時代》、都はるみの《あんこ椿は恋の花》。

これらの歌のメロディを思い出しながら、《ハット・アンド・ベアード》を聴くと、ものすごく不思議な気持ちになります。同じ1964年でも、ドルフィーの周囲の時空だけ別な次元だったんじゃないか、と思ってしまうほど。

私はモダンジャズの全盛期の頃はまだ生まれていないので、それどころか、大好きなバド・パウエルやジョン・コルトレーンが生きている間は私はこの世に存在していなかったので、どうしても、ジャズを聴くときのリアルタイム体験が乏しい。なので、時々、この演奏が吹きこまれたときは、日本ではどういう時代だったのかと年表に照らし合わせながら聴くことがあります。

そして、いつもそのギャップに驚き、笑ってしまうのですが、優れたジャズは時代背景や、当時の風俗や空気感を超越した普遍性のようなものすらを持っているのではないかと感じてしまいます。

つまるところ「時代を超えていつ聴いても新しい」ということです。

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