放送第62回『オール・ザ・シングズ・ユー・アー』(3)


季節はもう冬ですが、今回の「快楽ジャズ通信」の「オール・ザ・シングズ・ユー・アー特集」を収録したのは、結構前だったんですね。

まだギリギリ秋かな?ってぐらいの肌寒さで、収録前日の「秋の夜長」に、酒を飲みながら、「ジャズマンはなぜスタンダードを演奏するのか?」ってことと考えてみたんですよ。

って言ったら、ディレクター嬢からは「もう冬じゃないですか~」と突っ込まれてしまった(汗)。


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でも、きっと放送日のタイミングに合わせた突っ込みだったとに違いない。

今回のアフターアワーズ、そしてポッドキャスト編では、「ジャズマンはなぜスタンダードを演奏するのか?7つの理由」を、適当にデッチあげて(だって私ジャズマンじゃないので、本当のところは分からないので)話してみました。

そうしたら、いっきさんがブログ上で面白がってくれたので(こちら)、聞いていない方のために、その7つの理由を改めて掲載しましょう。

7つの理由には、すべて「いい面」と「悪い面」があります。
「いい面」を○、「悪い面」を×で書いてみましょう。

1.良い曲だから

○モチベーションアップ!良いだからこそ「やりたい」。極めて自然な動機ですよね。

×曲の良さに演奏が負ける可能性アリ。


2.良くない曲だから

○良くない曲だからこそ、俺が素晴らしい演奏にリニューアルしてやるぜ!というジャズマンスピリッツが燃えることもある。コードをリハーモナイズしたり、テンポを変えたり、メロディに改変を施したり……

×上記アイデアが企画倒れに終わり、いじり過ぎが却ってマイナスになる恐れもある

3.プロデューサーにやれと言われたから

○アルフレッド・ライオンのように演奏者の才能を見抜く人がプロデューサーだった場合、ジャズマンの思いもよらぬ資質を引き出すこともある。たとえば、ブルージーさが持ち味のピアニストにモード調の曲をやらせたら、その人の意外な側面を引き出せた等。

×やりたくない曲なのに、プロデューサーから「売れるからやって」といわれたジャズマンが渋々演奏したとしたら、名演って生まれると思いますか?


4.難しい曲だから

○チャレンジのし甲斐がある。難しい曲は、自分の殻を突き抜けるための格好の起爆剤となりうる。

×演奏がうまくいかなかった場合、リスナーの立場から言えば「あなたの練習に付き合わされる我々って何なの?」と思ってしまう。


5.演奏していて楽しいから、面白いから

○これはとても自然なことですよね。やっぱり演奏者が楽しんでくれれば、リスナーにもそれは伝わるものです。

×楽しいからって、自己満足で終わっていやしないか?


6.有名曲だから、皆が知っている曲だから

○聴き手のみならず、有名曲は、同業者からも「あ、俺この曲知ってるよ」と合わせやすい。

×有名曲ということは、数々の名演が既に世に出ているわけなので、あえて有名曲を演奏するということは、それだけで他の優れた演奏と同一俎上に載るわけなので、生半可な演奏はできない。

7.トレード・マークになっちゃったから

○演歌歌手にもトレードマークとなる「持ち歌」があるように、歌のないジャズの演奏においては、その人のイメージを決定づける「持ち歌」があることはとても幸福なこと。ロリンズの《セント・トーマス》、エロール・ガーナーの《ミスティ》、マル・ウォルドロンの《レフト・アローン》のように。

×観客がトレードマークの曲を演奏しないと許さない!ぐらいの雰囲気になってくると、気分がのらないときでも渋々演奏しなければならなくなる。そんな気持ちで演奏されても、リスナーとしてはあんまりおもしろくない。


いかたでしたか?
ほんと、秋の夜長にボーっと酒を飲みながら「そういえば、なぜジャズマンはジャズマンなんだろう?」とか「なぜジャズマンはスタンダードを演奏するのだろうか?」などと考えていたことを、たまたま覚えていたので、たまたま放送のお遊び企画で披露させていただきました(笑)。

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