匙加減の達人、マイルス・デイヴィス

多くのジャズマンの演奏を聴くと、凡人は、その圧倒的な技量を前に「すごい、真似できない」とため息をつく。 マイルス・デイヴィスの偉大なところは、凡人に「もしかしたらオレにも出来るかもしれない」と思わせるギリギリの表現をし、そのじつ誰もができないことをしたところにある。 ヒット企画を立てる達人の匙加減に似ているのかもしれない。 ヒットを生み出す人の商品企画は、消費者…

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ピアノトリオに求める要素って「癒し」?それだけ?

「ピアノトリオ好きは“癒し”を求めているのだ」 一見もっともそうな意見。 しかし、果たして本当にそうなのか?そんな人ばかりなのか?と私は思うわけです。 ある意味、ピアノトリオ好き=ヤワなジャズファン⇒だから、ジャズに求める要素なんてしょせん癒し程度なもんだろ的な見下し感がはいっているようで、私ははっきり言って、したり顔で「ピアノトリオファンは癒し系を求めているのだ」と断言す…

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ジャズの「わかる」「わからない」について

平日、夜の居酒屋では、サラリーマンたちが酒の肴トークとして「あいつは仕事ができる」「できない」トークが合いも変わらず繰り広げられている。 一方で、ジャズ喫茶では、常連やマスターたちの間で「あいつはジャズがわかっている」「わかっていない」トークで盛り上がることも。 仕事においての「できる」「できない」は、会社の存続や、自身の生活に直結することもあるので、その多くは単なる愚痴…

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楽理を知る必要はあるか?

「楽理を知っている人は、演奏のテクニカルなことばかりに耳がいってしまい、真の音楽鑑賞は出来ない」というようなことを、楽器をやらない人は言うことがある。 しかし、そんなことはない。 ムリして知る必要はないが、楽理を知っていれば、演奏によっては鑑賞の楽しみが倍加することもあるし、少なくとも、知っていることが鑑賞の上での妨げになることはない。 しかし、だからといって楽理を…

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趣味の世界まで悪しき暗記教育の負の遺産?

ブルーノートなどのレコード番号や、アルバムの曲やパーソネル、さらには録音年月日を博覧強記のごとく覚えている「記憶力」の良いジャズファンが尊敬される風潮がいまだにジャズ喫茶にはあるようだ。 それを生業としている評論家やマスターだったらともかく、趣味でジャズに接している人は、受験じゃないんだからそこまで必死に暗記する必要はないと思う。 もちろん覚えたことによって広がる世界もあるの…

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楽器の出来る・出来ない

楽器をできなくてもジャズは分かる。 「楽器をやらないとジャズは分からない。」という説には私は与しない。 逆に、「楽器が下手に出来る人は、技術の優劣に耳がいきがちで、ジャズの大事な部分を聴き逃す可能性がある。だから、楽器をやらない人のほうがジャズは分かるのだ」というような主張にも与しない。 やっている人・やっていない人には、それぞれピンとくるポイントが違うし、それはいたし方が無い…

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所有アルバムの枚数

持っているアルバムの枚数、あるいは聴いたアルバムの枚数は多いにこしたことはないとは思う。 しかし、持っている枚数や聴いた枚数の多さが、即、その人の鑑賞力に比例するとは限らない。 たくさんのアルバムを持っているにも関わらず、ブルースナンバーをブルースだと気づかなかったり、モード奏法とはもっとも対極的な構造を持つコルトレーンの《ジャイアント・ステップス》のことをモード奏法だと…

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マイルスわかればジャズはわかるか?

「マイルス・デイヴィスの作品を追いかけておけば、とりあえずジャズが分かる」という説がある。 半分は本当で、半分は本当ではない。 たしかにマイルスの軌跡を追いかければ、ジャズの正史、いわばメインストリートを俯瞰できるというメリットはある。 しかし、ジャズは、進化・発展・変貌を繰り返したメインストリートの歴史だけではない。 表通りあれば、裏通りあり。 マイルスの…

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排他的ジャズファンに陥る危険性

一般にジャズは聴けば聴くほど、好みは狭くなってゆく。 たとえば、熱烈なブルーノート好きが、熱烈なECMマニアでもあるというような話は聞いたことがない。 つまり、少しずつ自分の好みのエリアが定まってくるということだが、自分の好きな分野を偏愛するあまりに、他のエリアの音や、ファンに対して排他的な言動をとることは慎みたい。 またジャズは知れば知るほど、聴けば聞くほど、読め…

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「ジャズの聴き方」なるもの

数多のジャズの本に謳われている「ジャズの聴き方」なるものは、存在しない。いや、存在するかもしれないが、厳密に「絶対にコレ」という明文化されたルールは、あたりまえだが存在しない。 意地悪な言い方をすれば、「ジャズの聴き方」は、ひとつの「企画」であり、ひとつの「ビジネスモデル」なのだと認識し、そのことを分かったうえで、読んだり読まなかったりするぐらいが丁度良い。 ▼「聴き方」…

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活字ファン

プロレスファン(あるいは格闘技ファン)には、実際に試合を見に行かずに、もっぱら雑誌やスポーツ紙などの活字に親しむ「活字ファン」が多いように、ジャズにも実際にライブを見に行かないどころか、音源もそれほど聴かずに、活字中心でジャズ情報に親しむ「ジャズ活字ファン」が多い。 以前の私にもその傾向があった。

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譜面読めねばプロではない?!

当夜演奏会者の中には音符の読めない者が数人いたそうだが当夜に限らず音符が読めずに演奏したところで、これは趣味道楽の範囲であって、プロではない。素人は批判の対象にならぬ。譜面の読めない音楽家は、文字も読めない、まだまだ、ほんの幼い子供と同じなのである。ただひとつ異なることは、幼児は邪気がなく何に依っても学ぼうとする知識欲が盛んなのに反して、彼らのそれは全く認められないことだ。その上、(これもほ…

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ジャズは金儲けの手段にあらず

金儲けをしたい、一発当てたいと考えている人は、「ジャズ」という分野を選択肢に選んではいけない。 なぜなら、儲からないから(笑)。 儲けを度外視し「それでも好きだから」と頑張る人のための聖域なのだ。 演奏家は別として、単なる趣味が高じたマニアが、多少の知識がある程度のレベルで、ジャズでひと山当てよう、ジャズで有名になろう、商売ジャンルのひとつにしようなどと色気と欲目を…

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キャバ嬢同伴ジャズライブ

いくら、あなたがジャズマニアで、 ジャズの知識を披露しようという下心などが働くからといって、 キャバクラ嬢を連れての同伴出勤の場所は、狭いジャズクラブは選ばないほうが賢明。 以前、某ジャズのライブハウスに行った際、隣のテーブルには同伴出勤とおぼしきサラリーマンと、どうみても水商売風の若い女の子がいた。 ベースとギターのデュオなので、音量は低い。 というか、このフォー…

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十人十一色

「ジャズマニアが10人集まると11の派閥が出来る」というジョークを飛ばしたのは、たしかパット・メセニーだったと思うが、それだけジャズを聴く人は、ひとつの音楽の感じ方や、音に求めるものは違うもの。 だから、自分と考えが違うからといって、他者を揶揄したり攻撃したりすることは、ジャズという音楽の特質や、受け手の多様さを理解していないことに他ならないわけで、これほど愚かなことはない。

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ジョー・ザヴィヌルの人種観

ジョーザヴィヌル:ユダヤ人たちは黒人の音楽から盗んで、ニセモノの黒人らしきサウンドを作ったんだ。黒人ミュージシャンは掃除でもしながら台所で曲を作ってろ、ってことさ。それがユダヤ人のやり方なんだ。それがいまのエンターテインメント業界なんだ。ほとんどの白人はジャズを演奏できない。なぜだかわかるか? ジャズの世界に入り込みたくないからだ。ジャズってのは演奏するものじゃない。ジャズは生きて、実感する…

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